第7話

(大丈夫だ。心配はいらないよ。このアンドーラは決してあなたに危害を加えないから安心して彼女の言う通りにしなさい。)コナリーのその言葉にユリナは安心したのか、おとなしくアンドーラのそばに座った。するとアンドーラは何やら不思議な呪文を唱えながら、ユリナの頭の上に軽く手を添えた。一瞬、ユリナは自分の体に激しい電流が流れるのを感じて身を震わせた(大丈夫だよ。少し痛かったかも知れないけど、一瞬のことだよ。)アンドーラが言った。

(あら、これはいったいどういうことかしら?わたしはあなた方の言葉で話している?)その場にいた4人はユリナが突然、自分たちの言葉で話しているのに驚いた。最初にユリナに話しかけたのはロビンだった。

(コナリーさんはやっぱり凄いや!これでユリナも僕たちの仲間も同然だ!)

(ふーん、ロビンはユリナさんのことが気に入っているんだね!)ショーンがまだあどけない声で言った。ロビンはショーンの言葉に顔を赤らめたように見える。

(ち、違うよ!僕はただユリナと話せるようになって嬉しかっただけだよ!)ロビンが下を見てつぶやいた。

(さすがはアンドーラだ!)これでユリナとの会話で悩むことはなくなったな。ご苦労だった。)

(それじゃあ、アタシはこれでもう用も無くなったことだし、ここらで消えるとしようかね。)するとアンドーラの体は再び白い煙となって床の隙間に吸い込まれように消えていった。

(わ、わたしがいるのはどこなの?あなた方はいったいどういう人たちなのかしら?)戸惑っているユリナにコナリーが優しく言った。

(ここはアズロスのエドーラ王国の中のピエール村で、私たちはあなたの味方だ。そしてここにいる人たちはみんなあなたと話すことができるようになって喜んでいるのだよ。)

(そうよ。あなたはもうわたしたちの家族も同然だわ。何も心配することは無いのよ。)クラスティーナが優しくユリナに言った。

(それよりお嬢さん、あなたはいったいどこから来たのかね?)ベアドロスが尋ねた。

(そ、それがどうもわたしは別の惑星から来たような気がするの。今いる世界はわたしが生まれ育った世界とは全然違っている気がするわ。)

(それではお嬢さん、あなたはどこから来たのだね?)ベアドロスが再び尋ねた。

(私と最初に出会った時、君はあの不吉なブラック.スターを指差していたね。まさかあの星から来たとでもいうのかい?あの星にはもう人は住んでいないはずだが...。)コナリーがベアドロスの問いに戸惑っているユリナにそっと言った。

(わたしにはあなた方がブラック.スターと呼んでいる星がわたしの本当の故郷だと思うの。どうもわたしは途方も無い時間と空間を移動して来たらしいのよ。)

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