第3話 男子学生 相談者
今日の相談者は…あれ?職業欄に学生と書いてある。
大学生だろうか。
最近たしかに 大学生の相談者も多い。
この時期は子供と大人の境目で 家族や身近な人に相談すべきか 自己で解決すべきかと 相談自体に悩む年頃だ。
ここでは18歳未満の未成年の相談は受けないことをサイトで記載している。
僕の考えだが ある程度精神的に成熟していないとアドバイスでさえ 使命や何かと思い込み それに頼りきってしまう。
それでは僕の道先案内人という役目ではなく ただの指導者だ。
僕の言う事は手助けで 自身で選択しなければ本当のヒーラーとよべないと考えている。
ヒーラーとは自然治癒力のサポートだと思うのだ。
だから年齢はある程度 精神的成熟の度合いをはかる目安になる。
年齢と精神年齢が異なるのは経験値によるし 人により個人差はあるけれど 未成年という点で成人とくらべ 身体的にもまだ成長期。
僕が何かサポートするには早いし 僕自身責任が持てない。
そもそも 自己責任でお願いしますと説明書きがある様に 自己責任を負えない未成年からの予約は受けれない。
といっても Web通信電話相談窓口なので 匿名で身分証明も求めていない。
それは 今の時代プライバシーに関しての扱いが難しい。
情報管理まで僕は手が回らないし 個人的な活動の1つだからだ。
さて 大学生といっても1年と4年生とでは すごく大きな差がある。言葉選びに気をつけよう。
「お待たせしました。学生とありましたが大学生でよろしいでしょうか?専門学校でしょうか?」
「中学生ですけど」
「は?」
「中学2年男子です。今日は嫁のことで…。」
「はい?嫁?…中学生…ですよね?!」
「うん 言ってるでしょ!中二で嫁いるの!ルナーナちゃんっていうの!」
ちょっと待ってくれ 僕は今何を聞かされてるんだ?
中学生で海外結婚?
今 そんなに自由な日本になってるのか?
もう ココが異世界じゃないか…。
「ちょっと聞いてる?お兄さん。嫁が最近 既読スルーするんだよ。俺好きすぎて不安なんだ…。」
「すみません…あの 大変申し訳ありませんが 国際結婚されてても…あれ?未成年ですよね?結婚…ああ 親御さんのご了解得てですか?」
「はぁ?親にも学校でも言ってないよ!俺らは(カラメールYO!)のSNSで知り合って お互い惹かれあって みんなの前で結婚したんだ!」
「みんな?ああ (キャラメール用)でしたっけ?そこの方ですか?」
「違う!お菓子じゃねーよ!(カラメールYO!)だって。…お兄さん 子供舐めてるの?」
おいー!!!大人舐めてるの?
本当の異世界からの住人 こっちきちゃったよ。
いや ちょいちょい来るけど 中学生は初めてだ…どうしよう。
…と言うことはルナーナ?嫁というのは SNS上での彼女?ん?ちょっと混乱してきた。
リアルでも連絡していて けど放ったらかしする…嫁?
ダメだ ペースを持っていかれては。
とりあえず 未成年の相談はNGと伝えよう。
「大変申し訳ありません。未成年のご相談は…」
「だから 子供扱いして子供舐めてるの?色々知ってるから 知識量半端ないよ。」
じゃー嫁が既読スルーの理由も分かれよ…っと言いたいところだけど どうやったらか通話切ってくれるかなー。
その後
僕が模索している間彼はきっちり1時間喋りまくった。
ルナーナちゃんがいかに可愛くていい子で 自分にはもったいないくらいで あまりに好きすぎて不安になる。
もし今度…今度?彼女と別れたら BLに走るとの事だ。
うーん 恋愛は自由というか お互い合意でお付き合いされてるなら よそからどうこう言おうが…。
ただ
僕は1時間何をずっと聞いていたのだろう。
結局相づちだけで 聞いて終わってしまった。
1時間が途方もなく長く感じ 終わったあと放心していた。
気づいた時は 今度は混乱の渦で頭を抱えていた。
誰か。
僕を癒して下さい。
現代でヒーラーは つらいです。
転生させてください。
異世界に。
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