妖精が見えないから

旧市街ビーストタウンの変革 (漢字はtownではなくてstreetsに成ってるけど設定的にはタウンが正しい )


 旧市街で妖精を知覚できない獣人が妖精と共存する為の手段に信号符号を用いようと決めた少女は、 主人と過ごす中で考えていた、妖精に聞こえる音を使って自己獣人を主張したり、信号を使ったやり取りで交流しようと考えている。


 何かを着せて妖精の存在を知覚する方法は「着用に好意的な価値観」を妖精に持たせる必要が有り、直ぐには難しいと考えた少女は、妖精に自己の存在を認識させて判断を任せる方法から始めた。


 価値観を強要された妖精は応える価値が無いと判断したら出て行くから無理強いは難しい。妖精を痛めつけると妖精保護的な団体などから非難されて面倒だし。


 妖精に依存する形だが、妖精を尊重するなら必要な事だと判断した。


 扉が開閉する時に特定の音が鳴る様に扉へ鐘を取り付けて開閉を妖精に察知させて巻き込まれない様に工夫している。音の違いで危険か安全かを知らせる手法は旧市街で多用される。




 常人は妖精町などと変わらず信号は不要だが、知識が不足する者たちへ妖精の扱い方を教える必要があった。


 妖精町に住む旧市街の支配者の知人から妖精町で使われている教科書を譲り受けて短時間で最低限の知識を叩き込んだ。


 旧市街に成る前から生きている老人で妖精の知識を持つ者から協力を得た。


 貧乏で妖精町へ行けず旧市街に留まった者たちの中に、再び妖精と共存できる変革に好意的な物は少なくない。




 召使や生産などの経験がある獣人は多い。教育されて知的な役割を与えられる獣人も居るが殆どは肉体的な役割。


 旧市街の獣人たち捨てる様に売られた者が多いから経験は有り環境作りに必要な技術を持っていると判断した少女は積極的に活用した。家事、庭師、大工、など色々と。


 妖精町へ連れて行けず手放したい者たちに売られた獣人には旧市街で不要な技術とされて価値が低かった者たちは妖精の環境作りで見直された。




 旧市街に作る環境の設計は少女を中心に行われた。


 妖精を住み着かせる最低限の機能を何としても維持したい少女は設計に関わった技術者たちへ環境作りの知恵を教えながら共同で旧市街を設計して作り上げた。


 外の力を容易に借りられない環境では、知恵を持つ自分が教えないと旧市街で妖精と共存できないと考えた。居るか分からない存在に期待するより良いと少女は考えた。


 少女は街並み以外に妖精用のご飯やお菓子も教えながら協力して作った。


 あと、神様を呼ぶ儀式お祭りなども。


 神様を呼べて移住した後も「発展や神様の要求を満たす為に」などと支配者から仕事を引き受けた主人から仕事の手伝いを要求された少女は旧市街に協力している。仕事の範疇で協力しているが、大切な知恵は教えずに隠している。

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