店への固執

条件 青年の〝父親〟を〝母親〟に変更する。




妖精飼いへ弟子入りして得た知識や技術で店を開き経営していた父親と店を訪れる妖精たちの幸せで大切な思い出を忘れられない女性は店を死別した父親の代わりに店を守ろうとしていた。


ある男性と恋仲になったが、妖精飼いに成る夢を叶えるために妖精町へ行く事を止められない女性は、恋人の負担に成りたくなくて見送った。




拗れた遠距離恋愛の末に恋人を失った女性は妊娠に気付いたが別の相手が居る元恋人に期待できず、父親が残したお金を使って育てる事にした。


旧市街の妖精専門店へ来るお客さんは居なくて、妖精も住みにくい旧市街から離れて訪れなくなった。


思い出も、育児も捨てられない、女性は必死に働いて子育てと両立させたが、自身の病気などの体調を大切にする余裕が無くて、病死した。




青年母親の死因を、妖精と触れ合いたいが、妖精町ではなく、父親から継いだお店で……などと言う非現実的な理想を諦めなかった、事と考えている。


生まれた時、既に亡くなっていた祖父との思い出が無い青年は母親が大切に抱えるお店の思い出を聞かされたが実感できず、苦しむ程に固執する価値を理解でき無くて「店を守ろうと必死に働く母親は間違っている」などと思っている。


妖精町でも妖精と触れ合えるから、店に固執しなければ、死は避けられたかも、と考える青年は、母親の間違いを証明したくて、母親から聞かされていた妖精が身近な生活を妖精町で実現して、自分の正しさを証明したかった。


死の間際まで、間違いを認めず、思い出に固執し続けた母親を見た青年は自分を肯定する為に、間違いを証明する必要性に迫られた。






後に、少女から、お店を諦める必要が無い手段を与えられた青年母親と向き合う機会が生まれた。


母親の手段は否定したいが「間違いを証明する為に母親が店に固執する動機を否定する必要は無い」と気付かされて、母親の気持ちを継ぐためにお店を復活させたいと思い、少女から提示された手段に賛同した。


青年が気に入らないのは死に至る原因の過労や余裕のなさだから、それを否定しながらも、母親の夢を引き継げる少女から提案された〝旧市街の意識変革計画〟を行う価値は高いと青年は考えた。






青年少女と同性を始めた頃は、母親の手段を否定する一環で「旧市街では妖精を飼えない」だと自然に考えていたから、妖精を飼おうとする言動は無くて、旧市街では無理だと決めつけていた。


青年が決めつけていた理由は、旧市街が獣人を重視して妖精を軽視する社会だからも有る。






青年の父親を登場させるのは 大きな区切り より後の話かな?



青年は「父親が居ない前提で生きてきた」から再会を望んでいないし「力を借りたい」などと父親を求めていもいない。


旧市街には事情が有って親が居ない物は珍しくないから、父親が居ない異常性はない。

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