故郷の工場長

妖精町から少し離れた地域に生まれて十五歳まで育った少年


貧乏で学校へ通えず幼い頃から労働をしていた少年は、妖精と共に製品を作る工場で故郷を離れるまで働いていた。


製造の要だった妖精を害さないように妖精を知覚できない獣人は使わず常人を雇っている工場に獣人は居ない。


幼い頃から工場で妖精と触れ合っていた少年は妖精に好意的になった。




十二歳の頃に、仕事を終えて帰宅する途中で、見つけた妖精を追ったら、老人が住む一軒の家に着いた。


沢山の妖精が住み着く家を見た少年はあの中に混ざりたいと思った。


工場地帯、田園、住宅地の外れで人気が少ない老人の家は、別世界を思わせる非日常があった。


地主や大きな町に住む庶民や富裕層でなければ、妖精を飼うことは難しい社会で、妖精を飼う老人は、富裕層だと考えたが、情報を求めて噂を集めると、奴隷と二人で住んでいる、商店などで大金を使わないが土地を持っている、など。


人を招かないが、沢山の食材などを買っている事に関しては、住み着く妖精のご飯だと噂されている。


妖精を飼う変な老人の噂は、奴隷獣人の存在で不可解さを強めている。


妖精と獣人は共存できないと考えられている社会で、奴隷と共に暮らしながらも妖精が住み着く老人は、妖精に関する怪しい噂があって、巻き込まれることを恐れた者たちから避けられている。




「妖精から好かれる人に悪い人は居ない」と老人に興味を抱く少年へ告げた工場長は妖精町に行ったことがあり、妖精を好む少年に妖精との経験談や妖精知識を語り聞かせていた工場長は思い切って老人の家を訪れたら? と行きたいが噂で不安な少年の背中を押した。




仕事を妖精飼い一本に出来る者は少なくて、憧れていたが才能が無くて無理だと道を変えて妖精と関われる仕事を選び、妖精と共に製品を作る工場長になった。


天才は年が近くて、道を変えた後に天才が作った妖精町に行ってから尊敬している。


妖精飼いの知識や技術で工場長に採用されたて、妖精が過ごしやすい環境を工場内に作り維持している。


妖精が昔より身近にしたグラス商会関係の工場に勤めている。


工場の近くにある住宅地の家に住んでいる。


妖精が好きで、好きな妖精が好かれる事が嬉しくて、少年へ妖精に関することを沢山教えている。


環境作りや触れ合い方など。


少年が妖精町に憧れてから、少年が妖精町へ行くのに相応しい時が来たら、妖精町の学校にある特待生制度を使って支援しようと考えていた。


グラス商会と仕事などで繋がりを持っている工場長は、優秀な妖精飼いの育成を行っているグラス商会が運営する学校なら少年を行かせられると考えた。


自分が妥協した夢(妖精飼いで生計を立てる)を少年に叶えて欲しい工場長。

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