夢の価値

死んだ恩人Xが残した新たな主人Cの下で常人と偽る生活を始めた獣人の少女Aは問題に直面した。


妖精が知覚できない少女Aは沢山の妖精が生活圏にしている場所を避けると少女Aが住む主人Cの家がある旧市街などに制限される。


三十年ほど前に開発された地区へ人が移り寂れた地区は旧市街と呼ばれている。


旧市街に在った主人Cの父親が経営していた小さな妖精専門店は賑わっていた時期があった商店街の一角にある。


寂れた商店街は開いているお店が少なくて妖精用品を取り扱う店は無かった。


店で売っていた商品から簡単に作れる環境を好む妖精なら可能だと判断した少女A主人Cに環境作りを行いたいと話を持ち掛けたらお金を渡されて一任された。


継いだ夢を追うと語っていた主人Cの他人任せな言動に不満を抱いて「夢を叶えたいんだよね?」と不満げに言った少女Aは「仕事が忙しくて余裕ないし知識や技術、あとお金もない」などと出来ない理由を主張する主人Aから夢を叶えたい必死さを感じられず「本気じゃないのか?」と噛みついたら「出来ないことは出来ない。そのためにおAがいる」と会話を終わらせた主人Cと険悪になった。


普通の基準は知らないが前の主人Xより貧乏な生活であることは節約生活から感じていた少女Aは仕事で家にいる時間が少ない主人Cの主張を完全には否定できず説得できる方法を一晩かけて考えたが見つからなかった。


奴隷の自分は主人Cから与えられた役割を行うことが最善だと前向きに考えた少女Aは昨晩に主人Cから渡された妖精用の資金を使って材料を集めた。


前の主人Xと暮らしてた頃に妖精飼いが盛んではない郊外で得ることが難しい物を補うために異なる材料で工夫した経験がある少女Aは倉庫になっている家の一階にある元店舗へ使えそうなゴミ等をかき集めて安価に資源を集めた。


生活に使わない家の一階にある店の面影が残った少し広い空間に妖精が好む環境を作ろうと考えていた少女Aは必要な材料が集まったら作業を始めた。


朝早くに家を出てから夜に帰ってくるまでに作り終えた小さくて貧相な環境を目にした主人Cから誉め言葉を貰えず「これを妖精が好むのか?」と疑われて色々と期待外れな少女Aは「全ての妖精が美麗さを好む訳ではない」と言い返した。


数日経っても妖精が住みつかない状況に小さな期待を裏切られた主人Cから「やっぱりな」と侮辱された少女Aは「狙いの妖精が好む餌は置いているが、妖精を知覚できない私は呼ぶことは出来ないから待つしかない」と限界を伝えて、狙う妖精の習性や身体的な情報と好む餌を主人へ渡して「そんなに期待しているなら出来ない私の代わりに呼んで来て」と押し付けた。



妖精が知覚できない少女Aへ無理難題を押し付けた自覚を持った主人Cは出来る範囲で協力しようと思って時間を作り少女Aから得た情報から妖精を探した。


妖精を見つけて餌付けと交流の末に気に入られた主人Cは自分の後を追う妖精がはぐれないように少女Aが待つ家へ帰った。


少女Aへ「妖精から後を追われている」と伝えたら妖精用の寝床へ案内してと言われて実行した主人Cは妖精が住処を気に入った事を喜んだ。



主人Cの喜ぶ様子から成功した事を察した少女Aは成功を喜んだ。


無理難題を押し付けた事を謝罪した主人Cから改めて協力を求められた少女Aは喜んで承諾した。

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