ちょーうん! 5   

趙雲ちょううんおくりな、どう決まったんでしょうか。

そのへんを、趙雲別伝ちょううんべつでんが語ってるっす。


趙雲が死んだとき、劉禅りゅうぜん

蜀漢しょくかんとしての公式表明をしたっす。


「父上がご健在であった頃、

 趙雲は父上に従い、多くの功を挙げた。


 ちんが幼き頃より、

 父上に降り掛かった多くの苦難に、

 その忠誠をもって立ち向かい、

 乗り越えてきておる。


 その功績は国をあげて称賛すべきもの。

 そんな趙雲にふさわしい諡を、

 入念に検討せよ」


なので姜維きょういを始めとした群臣、

めっちゃ頑張りました。

で、改めて劉禅に表明してます。


「趙雲が先帝の下で挙げた功績は著しく、

 加えてその施政の規律正しきこと、

 これらは書き残しておくべき事でしょう。


 それと、陛下としては、

 やはり長阪ちょうはんですよね。


 先帝に見捨てられかけた陛下を、

 それでも趙雲は、一人救出に向かった。

 そして、その忠義心でもって、

 陛下を守り通しました。


 その義俠心の堅固なること、

 黄金をもたやすく貫きましょう。


 君主がかれの功績を

 称賛しようと思い、

 かつ、礼をもって下賜なされば、

 臣下は死をも忘れ、

 奉公いたしましょう。


 死してなおその名が響けば、

 かれは不滅の存在となります。

 そして生ける者たちは、

 死してなお称賛されることを知り、

 身を損なう事も恐れなくなります。


 以上をもちまして、申し上げます。


 その柔軟なる賢さ、

 配下へ示したる慈愛をもって順。


 物事を公平に取り扱い、

 多くの争乱を平定したこと、

 をもって平。


 併せて、趙雲どのには

 順平侯、と諡するのが

 良いかと奏上いたします」。




雲別傳載後主詔曰:「雲昔從先帝,功積既著。朕以幼沖,涉塗艱難,賴恃忠順,濟於危險。夫諡所以敘元勳也,外議雲宜諡。」大將軍姜維等議,以為雲昔從先帝,勞績既著,經營天下,遵奉法度,功效可書。當陽之役,義貫金石,忠以衛上,君念其賞,禮以厚下,臣忘其死。死者有知,足以不朽;生者感恩,足以殞身。謹按諡法,柔賢慈惠曰順,執事有班曰平,克定禍亂曰平,應諡雲曰順平侯。


雲別傳に載りたる後主の詔に曰く:「雲は昔には先帝に從い、功を積みたること既にして著し。朕の幼沖なるに以ちたるにては、艱難を涉塗し、忠順にて賴恃し、危險を濟う。夫れ諡せる所を以て元勳を敘したるや、外議し雲に宜しく諡せん」と。大將軍の姜維らは議すらく「以て雲の昔に先帝に從いたるを為し、勞績は既にして著しく、天下に營みたるを經、法度を遵奉し、功は書すべきに效す。當陽の役にては、義は金石を貫き、忠なるを以て上を衛り、君の其の賞さんたる念い、禮を以て厚く下さば、臣は其の死を忘る。死者の知りたる有らば、朽ちざるに以て足らん。生くる者は恩に感じ、以て身を殞いたるに足る。謹みて諡法を按ずるに、柔賢にして慈惠なるを曰く順、事を執りて班を有せるを曰く平、禍亂を克し定むるを曰く平、應えて雲を諡して曰く順平侯」と。

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