張飛5 粗暴さが招く結末
ところで
なので、例えば
関羽や張飛を「万人の敵」、
つまり、彼らを倒すのに一万人は必要だ、
そう試算していた。
ただ、そんな二人には欠点があった。
関羽は兵士たちを良く慰撫したが、
いわゆる士大夫層、つまり将校クラスには
非常におごった態度を取った。
張飛は目上のものに対してこそ
よく敬愛の念を示したが、
目下のものに対しては配慮がなかった。
特に張飛に対しては、
常々小言を垂らしている。
「張飛、お前ぇの軍、いくら処罰ったって
ちっと殺し過ぎじゃねえか?
つーかよ、余力あるやつに鞭打ちゃ、
お前ぇの周りにいるやつが、
いつお前ぇに仕返しするかわかんねぇぞ」
わかっちゃいるけどよぅ、
結局張飛、部下への苛烈な扱いは
まるで改まらなかった。
そうこうしているうちに、
関羽が
劉備としては、当然収まりがつかない。
関羽の復讐、というよりは
奪われた
張飛も
そうしていざ出発、というところで、
配下将の
張飛に襲いかかり、殺した。
二人は張飛の首を抱えて
孫権のもとに亡命した。
初,飛雄壯威猛,亞於關羽,魏謀臣程昱等咸稱羽、飛萬人之敵也。羽善待卒伍而驕於士大夫,飛愛敬君子而不恤小人。先主常戒之曰:「卿刑殺既過差,又日鞭撾健兒,而令在左右,此取禍之道也。」飛猶不悛。先主伐吳,飛當率兵萬人,自閬中會江州。臨發,其帳下將張達、范強殺飛,持其首,順流而奔孫權。
初にして、飛の雄壯威猛なること、關羽に亞ぎ、魏の謀臣の程昱らは咸な羽、飛を萬人の敵と稱せるなり。羽は卒伍を善く待せるも士大夫にては驕り、飛は君子を愛敬せるも小人を恤まず。先主は常に之を戒めて曰く:「卿が刑殺は既にして差や過ぎたり、又た日に健兒を鞭撾し、左右に在せるものをして,此れ禍を取らるるの道なり」と。飛は猶おも悛めず。先主の吳を伐てるに、飛は當に兵萬人を率いんとし、閬中より江州に會す。發せるに臨み、其の帳下の將の張達、范強は飛を殺し、其の首を持ちて、流れに順いて孫權に奔る。
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