第4話 今回は単発で楽しめます

日付は飛んで、平日のとある日の下校中



「おいっ英梨々、大丈夫か?なんかフラフラしてるけど」

「クチュン」

「ん〜倫也、大丈夫だって〜」

そう言う英梨々の顔は、あの時ほどではないけれど真っ赤でとても大丈夫には見えなくて。果たして、告白の返事を待たせている男がしていいのかわからないけれど。

「荷物持つからさ、送るよ」

「えっ、ありがとう」


「電車に揺られて眠くなってるところ悪いけど、一つ聞いていいか?」

「ん」

「なんで早退しなかったんだ?結構キツそうなのに」

「......出席日数がちょっと、ね」

「あー、うん察した」

「分かったからもう寝とけ」

「ねえ、倫也。肩ズンって言うのしてもいい?」

「おっおう」

それっきり英梨々はスゥスゥと眠ってしまった。

風邪で熱を帯びているからか、いつもより体の熱を直に感じているような気分になる。

それに今日の英梨々はなんか色っぽい。



「お〜い、そろそろだぞ」

「うーん、はいはい」


英梨々はいいって言ったけれど、病人を一人で帰らせるのは気が引けて、また来てしまった......澤村邸

最近異常な頻度で来てるなぁ!


「えっえっどうしよう!」

「どうした?」

「家に誰も居なくて、しかも今日に限って家の鍵を忘れちゃった」

仕方がない、仕方ないことなんだ。これは下心なんてない

「とりあえず、帰ってくるまで俺ん家で休んで行けよ、言ってもそんなに遠くないだろ」

自分の体調と今の関係を天秤にかけたのか、迷っている様子の英梨々を少し強引に家に連れて帰った。


「手洗いとうがいだけして、上あがって寝とけよ。確か飲み物あったはずだから」

「うん」


「はい○カリ、喉乾いてなくても飲んどけよ」

「あと、これがシートな」

「ありがとう、でも、なんでこんなにしてくれるの?」

「そんなの、幼馴染だから、いや、大事だからだよ」

「お前にキツい思いは出来るだけして欲しくない」

「......うん、分かった」

そう言うと、また心地いい寝息を立てて眠ってしまった。


英梨々も寝たし加藤を説得する為の企画書も書くか、こんな時に書くのはおかしい気もするけど、流石になにもしないのも落ち着かないし


「んっん〜」

そろそろシート貼り変えたほうがいいのか、暑そうだし

と言うか、布団が暑いのか。そう思いベッドの方に移動すると

「暑い〜」

「いや、脱ごうとすんなよ!」

「えっ、ああ倫也。そっか私、倫也の家で寝てて。」

「危なかったわ」

「こっちがな!」

「にしても、さっきよりは顔色良さそうだな」

「うん、ハ ハ、ハクション」

「お前、外と全然違うじゃん!」

「俺が言うのはなんだけど、告白した相手の前で遠慮とかさぁ」

「あのね、倫也。今の私は熱でちょっとおかしいから、今日の私は忘れて欲しいんだけど」

「私はさ、今までずっと倫也のことが好きで、これまでだって何度も看病してもらったけど、わざわざ演技なんてしてないの」

「そんな長く恋が、ちょっと告白したくらいで変わる訳無いじゃない。それに、こんなあたしを見れる男はパパとあんただけだから」

「ソ、そうですか」

「じゃあ、また寝るね」

「おう」


その後、スペンサーおじさんから、連絡をもらい英梨々を迎えに来た。




自分が風邪気味という適当な理由で書いた今回です。

ちょっと時間の関係について考えていたら、かなりカツカツになっていたので、大変ですが続きも頑張りますので、よろしくお願いします!

次回は加藤恵回になると思います。自分が加藤推しなので、今から楽しみです。









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