第19話リザレクション・ウェザー③

パリィィンッ!!!


パパパパパリィィィッ!!



防御力を強化した剛の体に脆いガラスの破片が当たり、連続で割れてゆく音が響く。


「はぁー、はぁー、危なかった」


剛はガラスの音響く竜巻の中1人ホッと息を吐いていた。


なんとか間に合った、それは良かったのだがなぁ不味い...いくらこのまま防御できるとはいえ、この時間に別の作戦を実行しているかもしれない...


すると剛はおもむろに腕を強化の残りカスでほんの少し強化すると、


ちょうどガラスが前を通った時にその破片を殴り、その破片はそのまま飛んで鈴木のおでこに当たる。


「イッッ!」


短い悲鳴をあげながらそのまま倒れ、鈴木はポリゴンとなって砕け散る。


鈴木が死ぬと、鈴木が作り出していた風がだんだん収まって来た。


どうやら流石に体力があとほんの少ししかなかった様だ。


「これで...まずは第一関門がクリアと言ったところかぁ?」






一方鈴木が剛が殴ったガラス片に刺されて死ぬ少し前、



「...いいか?堂理、まず今鈴木が作り出しているやられたらそのまま例の作戦を実行する、タイミングが重要だ俺の声に合わせろ」


堂理は無言で頷き、後ろを見る。


後ろには清水さんや三浦先輩、栗原君などまだまだいっぱい戦力は居る。


「でも、その作戦からまた別の作戦に繋げられないかな?」


そんな事を後ろから栗原君が話しかけてくる。


「大丈夫だ栗原、それも考えてある」


そう栗原君に言うと私たち3人は心配そうに鈴木の方を見た...その瞬間、


「イッッ!!」


悲鳴をあげながら倒れる鈴木の姿が目に入った。


「今だ!能力を発動させろ!堂理ッ!!」


「勿論っ!!」






「さて...攻撃に移ろうか」


そう思い、腕に強化を集めながら前へ進む


一歩、二歩、三...


三歩目だ、三歩目を踏み出そうとした時点で何か、何か違和感を感じた。


先程までは傷一つなかった左足の脛のところに一筋のまるで、ガラス片に切り裂かれた様な傷が出来ていたのだ。


疑問を感じ、脛に手を当てようとして膝を畳___まなかった。


むしろ、途中で急停止せざる終えなかった。


なんと、ガラス片が宙に浮いていたのだッ!


「な、なに...?」


目を凝らして周りをよく見てみると結構光が何も無いところで反射をし、いくつも光っている部分があった。


「あ、あれが全て...ガラス片だと?」


しゃがんだ体制のまま疑問の声を上げると...


エア・ガン使いの男、佐々木が口を開く。


「派生能力...なのかな?これは、まぁ、合体技『透明感のある結界スクリーン・モノトーン』とでも名付けておこうか」


そんな事を言いながら佐々木は銃口を剛へ向ける。


「分かった、良いだろう」


剛はめんどくさそうに立ち上がり、目の前に浮かんでいるガラス片を人差し指と親指で挟み、


パキッ!


割る。


「そっちが面白い能力の使い方をして戦ってくるなら、こっちも面白い能力の使い方を見せてやる」


剛は右足を強化し思いっきり足を地面に叩きつける。


すると、床の一部が正方形に切り取られ、ものすごい回転をしながら浮き上がってくる。


しかもそれが4枚ほどある。


「どうやったらこんな事が出来るのかとか、やり方を教えて欲しいなんて質問には答えねぇ、精々自分で考えやがれッ!!」


その浮かんだ床を思いっきり蹴って、此方に飛ばしてくる。


ギャルルルルルッ!!!


あの回転速度だと当たったたらタダでは済まないだろう。


「っ!![観察眼]!!」


岸村先輩の目が光り、岸村先輩の見る時間がゆっくりとなる。


___まだ、まだだ、


そろそろ...



無意味な警告マーク】!!



ガギィィィンッ!!


岸村先輩が出した、道路標識が飛んできた床を防ぐ。


「まだまだ行くぜぇ!!」


ガンッ!ガンッ!ガンッ!!


残っている3つの床を蹴り飛ばしてくる。


まだ、無意味な忠告マークが見ている世界は時間がゆっくりと流れている。


そのため的確に防御する事が出来る。


ガギィィィン!


ガギィィィン!


ガッ、ギュワァァンッ!!


2枚目までは良かったのだが、3枚目で的確に殺しにきた。


なんと、3枚目は他のタイルとかは比べ物にならないぐらいの回転がかかっていたのだ。


そのせいで、道路標識が根元からひん曲がった!!


「っ!?不味い!!」


ギャルルルッ!


ガッ、ゴリッッ!!


その悍ましく回転した床は岸村先輩の首を吹っ飛ばしながら地下鉄のトンネルの奥に消えてゆく。

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