第18話リザレクション・ウェザー②

爆発時の黒煙が辺りを包み、それと同時にとてつもない緊張感を漂わせる。


「ど、どのぐらいだ?どのぐらい相手の体力を減らせた?」


心配になりながら誰かがつぶやいているのが耳に入る。


「みっ、見えた!」


黒煙の中からは所々血を流し、体力が3分の1ほど減った剛の姿が見えた。


この時、殆どの人が半分ぐらいは削れたと思っていたので少しの差なのだが絶望感が大きい。


ここで、佐々木が清島先輩に話しかけ始める。


「もうチャージ出来ましたよね?」


「あぁ、だが俺の能力は物にしか出来ないし相手の許可をもらっていないと...」


そうネガティブなことを言いながら落ち込む先輩、だが佐々木はその先輩の言葉を押しのけて、自分のB.B弾に触れさせた。


すると佐々木は鈴木と堂理に話しかけた。




「はぁ...はぁ...何だあのコンビネーションは、これはいくらDクラスだからとは言え評価を見直す必要があるな...」


そんな事を呟きながら、残りが目の前の大きな柱の先に隠れている事を思いだしながら考える。


いつ出てくる?


そう思い、ジッと目の前を警戒する。


パァンッ!!


「...ッ!?」


すると、エア・ガンを使って攻撃してくる奴が身をのり出さず、こちら側に適当に銃口を向けて撃ってきたのだ。



確か...奴の銃弾の威力ははっきり言ってゴミだ、しかし何故撃ってきた?


奴も馬鹿ではない、効かないと言うことぐらいわかるはず...と、なると何か別の作戦があると言うことか?



シュッ!!


「っ!?」



消えた!?


今まで強化していた目で奴の放った銃弾を目で追っていたのだが、ふとした瞬間消えたのだ。


はっきり言ってもっと目を強化すればいいのだが、これ以上の強化は防御力の低下につながる。


いつさっきの様なコンビネーションアタックが来るかわからない以上油断はできない。



どこに消えた弾は行ったのかわからずに辺りを警戒していると...


パリィィンッ!!


「っ!?頭上のLEDが...割れたッ!不味い!」


落ちてくるガラスの破片を強化した右腕で薙ぎ払う。


勿論この程度なら余裕で払うことが可能だ。


すると今度は、


バリィィッ!!


「後ろか!」


背後にあった売店のガラスの破片がこちらに飛ぶ様に破られる。


それからはその繰り返しだ、


売店の自動ドアのガラス、何かのオブジェについていたガラス、時には走ってくる電車のガラスまで割れた。


気がつくと辺り一面をガラスの破片が埋めていた。


「...確かにこのガラスを踏むと滑る、それを狙っているのか?」


すると、1人の男子が柱から体を出してくる。


あいつは...誰だ?


だが、銃を撃ってくる奴じゃないことは確かだ。



何故かは知らないがDクラスには前衛の男子が少ない、その為余り情報を集められていないのだ。


「うおぉぉぉ!!」


そんな間抜けな掛け声を上げながらこちらに近づいてきて、足元に注意しながら後ろに何歩か下がる。


ここまで来たら大丈夫だろうと思い、腕に能力を集中させて相手を殴る...瞬間だった。



「風...?」


こいつが頭を回し始めると同時に風が起き始めた。


それは次第に強くなり...



ゴォォォォォッ!!!


頭を回し始めた奴を中心にまるで竜巻の様な風を起こし始める。


「グッ...しかしこの程度の風ッ!!」


また殴ろうとした瞬間に...


パシュッ!


「なっ...」


右腕に小さいが切り傷ができていたのだ。


パシュッ!パシュッ!


しかもその切り傷は次第に増えて来た!


「なっ...これは、さっきまで撒き散らされていたガラスの破片がこの風で舞い上がっていると言うのか!?し、しかしこの風は竜巻の様に中心に向かっている...この風を起こしている奴は...」


目を細めながら前を見ると血だらけになりながらも頭を回し続ける男がいた。


「うぉぉぉぉぉ!!これがッ!派生能力『完璧なナイフノー・エラー・オール・グリーン』だッ!!」


しかもどんどん風が強くなってもっと大きなガラス片が飛び上がってしまう。


そう思った瞬間に左腕に深い切り傷ができる。


「うぉぉぉぉぉッ!!!防御力を強化しろォォ!【蒼き玄武ブルー・バーサーカー】!!」

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