第9話ただの早とちりによる攻撃
何だかんだ色々あって、ロケット爆破事件から2日が経った。
あの日から今まで幸いにもパシリとかそこら辺のことは全く言われていない。
多分D棟に来る時間さえ惜しいのだろう。
「はぁー...」
今は授業(自習のみ)が終わり、家に帰っている時なのだが...
「い〜やぁ〜ごめん〜ねぇ〜」
「いやー悪いねぇ」
偶然帰る方向が同じだった堂理ちゃんと3年の先輩の
「まさか1発で僕だけが負けるとは...」
そう、今はじゃんけんで負けた人が全員の荷物を持つという遊びをしていたのだが最初の1発目で栗原は一人負けをしたのだ。
「ググググッ...」
「あはは〜ほんと〜に、ごめんね〜」
よって、2人の荷物も持っているのだが吉田先輩の荷物が重いのだ、それもヤバイぐらいに。
「じ、実はいつも戦闘の時に使う道具で...」
「い、一体何が入っているのです?」
そう聞くと少し考えるようなそぶりを見せてから答える。
「まぁ、
「「............!(〜!)」」
まぁ、普通驚く。
「な、何でそんなものがこの中に!?」
「まぁ、僕の能力が関係していると思ってくれ」
そう言いながら3人で談話しながら歩いていると...
「おい...D3人組、ちょいと止まってくれねぇーか?ちょっと聞きたいことがあるんだがよぉ?」
その時に、僕ら3人は一瞬で凍りついたかのように固まる。
「...先輩、まずいことになりましたね」
僕は先輩にこっそりと声を伝える。
「あぁ、隙を見て小型冷蔵庫を鞄から取り出してくれ」
「分かりました...」
「わたしはあいつを減速させておきますね?」
そう言いながら作戦会議を終える。
「おい!聞いてるのか!ここら辺で俺よりもでかい大男を見な___ 」
最後の方は緊張で聞こえていない、
チラリと、先輩が僕と堂理ちゃんの方を見てボソッと言う。
「3秒後に一気に振り返るぞ...」
そう言われそーっと後ろに背負っていた鞄を前に回し、中身を取り出す。
「...ん?何だ?何か知られたくないことでも?」
どうやら相手は何かを取り出すと思っているらしく平然とものを出すことができる。
ジジジジッ、
「えっ...」
「2....」
チャックを開けて中を見ると、どこからどう見ても普通の冷蔵庫であったので少し困惑しながらも、その冷蔵庫を持って鞄から取り出す。
ゴトッ、
「は?何でンなものが...」
「1...今ッ!」
サッ、
3人でほぼ同時に振り返る。
その直後、先輩が前に一歩進み...
「冷蔵庫、貸して」
と小さな声で言ってくるので渡す。
「グググ...ッ!!」
すると冷蔵庫をおもむろに開き、箱の中を相手に向けて...
「...発動」
バシュッ!!
冷蔵庫の中からいきなり完璧に凍ったメロンバーが高速回転射出された。
「っ!?」
そのメロンバーの先っぽのとんがったところが相手の左目を擦り、切り込みを入れ、失明させる。
「っ!?ぐぁぁぁぁぁ!!!」
ガチャ、
冷蔵庫を閉めてそれを抱え相手とは反対方向に走り出す。
「よし!逃げるぞ!!」
「は、はい...!」
「わかった〜」
「あ、あの野郎...あの大男の仲間かぁ?治癒系異能力者にたの頼まないといけないじゃないかよぉ〜...意外とあれ高いの知ってんのか!?【
ピピピピピピューーン!!!!
たったったっ、
「せ、先輩、あれで大丈夫だったんですか?逆にヘイトを集めたと言うか何と言うか...」
どのような作戦が先輩の中で組み立てられてあるのかを期待しながらその質問をする。
「大丈夫!多分!!」
あぁ、ダメだ...僕らはあいつに殺される...
ってそんな事よりも...
「.........」
「...先輩、堂理ちゃんが黙りましたよ」
ギロッと先輩を睨む。
「........みんな歩道を歩こうぜ?」
たしかに今は思いっきり3人で車道のど真ん中を歩いているのだが、はっきり言ってここに車や飛車が来ることは滅多にない、飛車なんてまず相当な都会ではないと見ない。
それに、話を逸らそうとしているのがバレバレである。
「いや...マジの話だ、なんか、後ろから嫌な予感がするんだ」
少し先輩がマジトーンになったので僕と堂理 ちゃんは先輩と一緒に歩道に移る。
その瞬間、
ギュゥゥゥゥ!!!
先ほどまで僕らが立っていたところに無数の光線が後ろから飛んで来る。
そこまで速度は速くなく、目で追いつつ体で避けられるほどの速さだったがあれに当たっていたら多分今頃蜂の巣だろう。
「逃げるぞ!!」
そう先輩が叫び、僕たち2人は大きく返事をして先輩と一緒に走り出す。
たったったっ、
「言うまでもなくこの能力を持っているのは俺が左目を持ってったあの男だろうな」
「えぇ、それしかないですね」
「先輩の〜あの冷蔵庫で〜何かできません?」
堂理ちゃんが僕も気になっていたことを質問する。
「すまない...俺の能力、【
ある意味では強い能力なのだが...
「「つまり?」」
「今の俺はただ市販のよりもっと早く水を凍らせることができる冷蔵庫ってわけだ」
数秒の静寂が流れ僕が喋り出す。
「...堂理ちゃんの大まかな能力は、減速、先輩の大まかな能力は、冷却、僕の大まかな能力は、毒と自動回復...あれ?無理じゃない?」
顎に手を当てて必死に考えるも特にこれと言った案が出てこない。
「...毒、その毒ってさ、生命にしかかけられないわけ?もし物質にも付与できたら、物質劣化っていうことができないかい?」
「まぁ、そのアイディアは少し前からあったんですけど...もし壊れても大丈夫なものが無くて」
そんなことを先輩に言われ、床に向かって毒を発動させてみる。
すると...
ピキッ、パリッ、
そんな音が聞こえ始める。
「解除...意外と早く壊れて行くんですねぇ...何でだろ?」
意外と早く壊れて行くことに驚く。
だが、これと言って使い所がない気がする。
「あぁ、できたな...ならあの作戦でいく、2人とも耳を貸せ」
先輩が話してくれた作戦はこうだ。
まだ最新の設備が整っていないここら辺はまだエアシュート型の水道がある。
そこの点検をするための穴を留めておくためのロック部分を壊して疑似的落とし穴にしようと言う話だ。
「成る程...しかしそううまくいきますかね?」
そう言うと、いつもの眠たそうな目ではなくキリッとした目になった堂理ちゃんが言う。
「まぁ、もしもの時は私が相手の意識を減速させるから、でも私は完璧に無防備になるから護衛よろしくね」
「「スラスラ...喋っている?」」
流石に先輩も驚いたらしい。
「ん〜?どうしましたか〜?」
「「.........」」
ガッ、
「やっと追いついたぞ!SMNの工作員が!!」
「ん?SMプレイのゆうさくくんがって言ったの?」
バカのことを言っている先輩は置いておいて作戦に移る。
先輩と2人で堂理ちゃんを見ているといきなり叫び声が聞こえ、その主に左目がないことから標的は完璧に僕らだと予測する。
「じゃあ、あの作戦でよろしく」
「「はい!!」」
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