第15話届かない近距離
(あーあ、言っちゃった)
カウンターに並んで座る二人の客を、グラスを磨きながら気づかれないように見やる。
この距離だと、どんな会話をしているか自然と耳に入ってくる。
この二人の客のことは、ずっと前から気になっていた。よく店に来る二人は、今にもくっつきそうなのにつかない磁石のようで、見ていて大変もどかしかった。
あんまり煮え切らなさすぎて、いっそ片割れに話しかけようかと思った程。でも、余計な世話を焼く必要は、今夜で無くなったらしい。
どこか痛む胸に気づかないようにしながら、目を伏せた。届かない言葉を、二人に向かって投げかけた。
どうかお幸せに。
「あーあ、言っちゃった」で始まり、「どうかお幸せに」で終わる物語
#書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/801664
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