第13話しゃぼん玉と君

 今なら伝えられる。

 ゆっくりと、息を吸い込んでは吐き出すを繰り返す私の横で、君はのんびりと好きなしゃぼん玉で遊んでいる。君の息が吹き込まれた泡は、ストローから次々と出てくる。大小様々なしゃぼん玉は、太陽の光を反射しながら軽やかに流されていく。

 私の心が、これからどうなるか。それは全て、君にかかっている。風に乗って空へと昇っていくあのしゃぼん玉のようになるか。それとも、風の悪戯で地面へと流され、あっというまにすぐ割れてしまうしゃぼん玉のようになるか。

 ストローから、一際大きいしゃぼん玉が出た。君は嬉しそうな声を上げた。その時、私は口を開いた。

 大きな大きなしゃぼん玉は、ふわふわと空高く旅立っていき、そしてぱちんと弾けた。



「今なら伝えられる」で始まって、「ぱちんと弾けた」で終わる物語

#書き出しと終わり

https://shindanmaker.com/828102

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