第6話大海の一滴

 海に向かって叫ぶ夢を見た。

なぜそこにいたのか。

一体何を叫んだのか。

怒りか、嘆きの言葉か。

それとも、貴方の名前か。

 霞んで見えなくなるほど、遙か向こうに書かれた水平線。

残酷なまでに広い水面には、一滴の波すらも立たなかった。

 

夢から覚めても、目に刺さるような青と、絶え間なく続く波の音が、いつまでも頭の中に響いていた。

永遠に目を閉じ、耳を塞いでしまいたくなる程。

 その青色に、水面に、泡となって、いっそ消えてしまえばよかった。





「海に向かって叫ぶ夢を見た」で始まり、「いっそ消えてしまえばよかった」で終わる物語

書き出しと終わり

https://shindanmaker.com/801664

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