第5話戯言
小さな嘘を吐いた。その言葉が、ずっと口の中に残っているような気がした。言った後で、こんなの嘘の内に入らないと後悔した。どうせ吐くなら、もっと大きい嘘にしとけば良かった。
案の定、君は全然気づいていない。私が本当のことを言っていると信じて疑わない、真っ直ぐな目をしている。その目が、突き刺さる。
そう、実になんてことない嘘だ。私が、人知れず君に抱いていた感情に嘘を吐いた。ただそれだけのこと。
君も、私も、世界も。昨日と、何も変わらない。私が「本当」を飲み込んだことになんて、気づいていない。
残酷な君は、私が昨日と同じであることを望んでいる。
私は、その望みに応えなければいけない。
だから、さようなら。
「小さな嘘をついた」で始まり、「だから、さようなら」で終わる物語
書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/801664
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