第6話 鶴が捨てた男
だが夫婦になってみると、この与平、天真爛漫ではなくただの莫迦、大胆ではなく無謀な男だった。おつうが我が身の羽を抜いて織りこむ反物が法外な高値で売れると分かったとたん、仕事もせずに酒や
おつうは与平を捨てた。そのいきさつが民話として残っている。
「決して見ないで下さいね」というお約束の決め台詞で
「あの時のおつうって、超カッコ良かったよ!」
お雪は大切な幼馴染みの瞳を見つめた。
「そうかな?」
おつうの頬にかすかに赤味が戻る。
「でもどうして、あいつ、
「自殺よ。おつうの思い出と心中したのよ!」
首を傾げるおつうに、お雪は断言する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます