4話・団結

「アタシと同盟を組んで欲しいの。

 そうね、名前は幽霊お助け同盟なんてのはどう?」

 御伽は困惑した、ネーミングセンスにもだが、シバンの言ったことにだ。

 いきなり幽霊から同盟を組もうなんて言われてもなぁ・・・

 しかも私は、ちょっと幽霊苦手だし・・・

 と、御伽は思ったのだが、身体は意思とは全く違った動きをした。

「うん、いいよ。これからどうなるかわかんないけど、

 とりあえずよろしく。」

 そう、御伽はこの妖精のような少女シバンと一緒に居たかったのだ。

 一緒にいれるならなんでも良かったのだ。

 それまでにシバンという幽霊は美しかったのだ。

 それと同時に、御伽はかなりの面食いであった。




 帰宅。

 ガチャ。

 御伽は扉を開けると、前には御伽の母親・隠岐乃詩歌おきのうたかが、

 鬼の神楽面をかぶって立っていた。

「御伽!!あんたいつまでほっつき歩いてるのよ!!

 もう12時回ってるじゃない!!」

「もううるさいなぁ。いろいろあったの。」

「いろいろってなによ!!」

「もう、手貸して。」

「なによ、いきなり。まぁ別に構わないけど。」

 そして御伽は詩歌と手を繋いだ。

 すると、詩歌の目に御伽の目にしか映らないはずのシバンが映った。

「きゃっ!ちょっ、いきなり誰?」

 その詩歌の問いに御伽は

「さっき出会ったばっかりの幽霊の女の子。

 シバンっていうの。」

 シバンはいきなりなにが起こったのか、意味がわからなかった。

「ねぇ、御伽、今なにが起こっているの?アタシわからないんだけど。」

 御伽は説明を始めた。

「あっ、そういや言ってなかったね。

 私は手を繋いだ人に幽霊を見せることができるんです。

 それだけ霊感が強いってこと。

 まぁ、短時間だけど。」

 説明が終わった頃には、詩歌の目からシバンの姿は消えていた。

「きゃっ!・・・あれ?さっきの子は?」

「お母さん、そろそろ慣れてよ・・・」

「消えた・・・ってことは本当にゆゆゆゆゆゆ、、幽霊?!」

「うるさいなぁ。まぁそういうことだから。」

「ええぇええぇ!!ちょちょちょっと!」

御伽は腰を抜かして取り乱す母親を置いて、

「シバン、行きますよ。」

「え?あ、うん。」

そうして御伽は、2階の自分の部屋にシバンを招き入れた。






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