3話・同盟

御伽は帰りの電車に乗っていた。もう午後11時を回っている。

がら空きの電車の椅子にどっしりと座り、大きなため息をついた。

疲れがどっと襲ってきたのだ。

原因は間違いなく、隣に座る幽霊少女・シバンだろう。

御伽は、しゃべっている時は平静を保っていたが、幽霊と話すことは初めてだったので、内心ビクついていた。

その疲れがどっと溢れてきたのだ。

電車に揺られて夢見心地になっていると、

「春町駅~春町駅~———」

と車内アナウンスが流れた。

それを聞いた御伽は

「ハッ、降りなければ。」

と思わず声に出た。

すると、シバンが

「あなた、ここで降りるの?ついて行ってもいい?」

と聞いてきたので、

「うん、もちろんだよ。」

と御伽は快諾した。



帰り道。

「そういえば私名前言ってなかったよね。

私の名前は隠岐乃御伽。

16歳、高校二年生です。」

「へぇ、高校生なんだ。そうは見えないわね。

アタシの方が上だと思ってた。」

御伽は、少し失礼なことを言われたので、反論しようと思ったが、まぁ確かにそうかもなと思ったので、なにも言い返せなかった。

すると、シバンが

「ねぇあなたってアタシ以外の霊も見えるのよね。」

といきなりそんなことを聞いてきたのだ。

「例えば、あそこに頭のない烏が止まっていたりするのも、あなたは見えるのよね。」

続けてそう聞かれたので、

「うん、見えるよ。それがどうかしたの?」

それから少し間が空き、

「アタシはさ、さっきのアタシみたいに困ってる地縛霊とかさ、

まぁ地縛霊だけじゃなくて、ほかの困ってる幽霊を助けたいんだ。





だから、アタシと同盟を組んで欲しいの。」






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