焼きそば

__食事はただの栄養補給ではないのだろうか。

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副題 包装紙の側面でも見ていろ


ポテトチップス食べたいです。


@@@@@@


 カップ焼きそば


 一、店で買う。インスタントなぞ値段は殆ど変わらないが、気分的にスーパーで買うのが良い。値下げしているのならそれを買うべきだが、可笑しな味はやめておこう。腹を下す。腹を下してしまっては食事の意味がなくなってしまうだろう。


 二、家に帰る。この時周囲の警戒を怠らない。石ころ一つ、段差一つ、トラック一つで人生は変わってしまう。異世界なんてこの世にはない。死にたくなければ前を見て歩け。それで死なないという訳ではないのだが。


 三、台所にて、包装を解く。底に爪を立て、グイッと差し込むと解きやすい。ゴミはまとめて捨てる為、包装紙はどこかに置いておこう。


 四、蓋を開け、薬味、ふりかけ、ソースを取り出す。薬味は今すぐ入れるべきだが、ソースは絶対に駄目だ。不味くなる。不味いと腹を下す。腹を下せば、前述の通り食事の意味がなくなる。しかし、そもそも食事とは何だろうか。栄養補給の行為で最もしやすい物であろうが、本当にそれだけであろうか。それだけであるなら、なぜ何とか料理はできた? イタリア料理はできた? イギリス料理はできた? フランス料理はできた? 日本料理はできた? なぜ、人間はわざわざゲテモノを食べようとした? なぜイギリス人は炭を食い、フランス人は蝸牛を食い、日本人は蛸を食うのだ? そこに、栄養補給以上の意味合いがあるのではなかろうか。例えば、そう、睡眠時の夢を楽しむように、無駄な事を楽しもうとしたのではなかろうか? 原始の人々は、我々よりも相当にかしこかったのではなかろうか。


 閑話休題。埃が積もる前に終えてしまおう。


 五、お湯を入れる。この時、先程の思考を今すれば良かったと後悔するだろうが諦めろ。便所に行ってスッキリしてくると良い。それでも時間が余るのなら、箸、手拭き、飲み物を用意すると良い。大体これで食える柔らかさにはなっているだろう。


 六、お湯を切る。特に言う事はないが、流れ落ちる薬味には注意すべし。


 七、ソースを入れる。この時、箸で勢いよく掻き混ぜると良い。そして、ふりかけを適当に入れ、よく掻き混ぜる。グルグルグルグルグルグルと。


 八、食べる。味わって食え。残すなんて許されると思っているのだろうか。食べられぬなら食べねば良い。分かっていて、なぜ食べるのだ。少食で残すのは、まだ面と向かって怒りはしない。我慢しよう。しかし、好き嫌いで残す奴は地獄に堕ちてしまえ。馬鹿が。馬鹿がっ!


 九、洗う。割愛。


 十、終了。お疲れ様でした。

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