第12話 最終話 リア充になりました。


プール・・・・・・

今から泳ぐ選手のための応援がアリーナをこだまする中、競技役員からのアナウンスが鳴る。


「ただいまより男子200メートル自由形の最終組のレーン順をお伝えします!!!」

雑音がさらに大きくなった。そして俺の名前が呼ばれたのと同時に俺は前に歩き出した。

「第三レース」

後日・・・・・・


「あっ!こっちですよ眞さん!!!!こっちこっちです!」

そう言ってリリシアは、子供みたいにはしゃいでいる。あぁー、尊いな。

「そんな大きな声を出さなくても分かるよリリシア」

俺は、平然を装って内心ウハウハの中言った。

「だって嬉しいんですもん!」

こんなに甘々な関係になっていいのか少し戸惑うけどもう迷わない。ここまで着たらどこまでも甘々な関係になってやろうと思っている。

リア充街道まっしぐらだ。

「そうか、じゃあ行こうか」

今日は、リリシアと2回目のデートだ。


あの大会のあとにリリシアと一緒に帰っていた時に約束をした。

「今日のお礼に今度今日のお礼にデートに行こうか?」と聞いてみたら・・・・・・

「いいんですか!!やったー!!!」と元気よく言ってくれた。

それがいい意味で疲れた体にダイレクトに響いた事は今でも覚えている。


更衣室に入った後の俺はすぐに軽くアップをして身体を温めた。

そしてすぐに高速水着に着替えた。

めっちゃくちゃ着るのは、大変だったけど何とかレースが始まる少し前には履けた。

それから200メートルの自由形に出た。


結果は・・・・・・

ベストタイムを2秒も縮める自分の中で大記録になった。

その後の1500メートル自由形もベストタイムを出した。とても疲れたけど今回の大会は、大勝利で終わった。

たぶん、リリシアが居なかったらこんなにいい記録は出せなかったと思う。彼女があの時応援してくれたからここまで頑張れたんだと思う。

本当に彼女のおかげだ。

という事でその感謝を伝えるために今日のデートがあるわけだ。


「眞さん!早く行きましょう!電車出ちゃいますよ!」

「ああー、分かった行こうか」

ちょっとその前に言いたい事がある。

「あのさぁ、ありがとうね。この前は・・・・・・その・・・・・・あの・・・・・・」

何で肝心な時になって言葉が出てこないんだよ!!頭の中が空っぽになってしまっている。

考えろ!!言葉を考えろ!!

「・・・・・・」

ダメだ考えれば考えるほど何も出てこないよ。語彙力が著しく低下していってるのが良くわかる。

どうしたらいいんだよ!!

今唯一分かるのは、自分が尋常じゃないほどテンパってるて事が分かる。

あぁー、ワキ汗がどんどん出てきているなー。

後で制汗剤でも塗っておこう。


「眞さん?どうしたんですか?」

質問に上手く答えられないと思うけど、その場しのぎで答えた。

「えーと、この前はありがとう・・・・・・」

「それさっきも言ってませんでしたけ?」

それから先は自分の本音が出たのか口が勝手に動いていった。

「ううん、そうだね。俺さぁ凄い嬉しかったんだよな。こんな事を言うのはどうかと思うけど・・・・・・これから先も俺と一緒にいてくれるかな?」

言ったあとに気づいた。めっちゃ恥かしいよー!!!

最後の最後までヘタレは治らなかったな・・・・・・

こんな主人公でいいのか分からないがそれよりも今は彼女の答えが気になる。

「眞さん返事は・・・・・・NO・・・・・・なわけないじゃないですか!!絶対にYESですよ!!」

彼女の言い方で一瞬心臓が止まって心停止で病院に行きそうだった。

「良かったー」

「一生そばにいますよ・・・・・・」

「えっ『一緒』じゃなくて一生?」

「そうですよ。私の秘密を知ったんですからそれぐらいの事はお願いします」

「ええええええええええええ!!!」

急展開来たーー!!!

最後の最後で神様に感謝します!!!

「で、でもお母さんとか大丈夫なの?」

「もう許可取ってありますよ!」

「お父さんの方は?」

「あっちは気にしなくてもいいですよ!父親としての役割果たしてないんで!」

「で、でも俺の方の両親が・・・・・・」

「わ、私じゃあ満足出来ないてことですか?」

「いえ、大大大満足です」

「じゃあオケですね」

彼女は、かなり強引に物事を進めた。

前読んだ本に「女性は恋愛の事と子育ての事になると精神的に強くなる」と書いてあったが、まさにそれを実感している最中だ。

「という事で私と眞さんは婚約しました」

「はあーー」

まぁ、いいか。

悪い話じゃないし。今の所リリシアより可愛い人なんていないだろうしね。

それに彼女とならなんだかんだやってけそうだ。

「じゃあ改めてこれからも宜しくね。リリシア」

「はい!眞さん!」

そう言って2人は、手を繋いで歩き出した。

結婚はまだまだ先だけど2人の気持ちはもう離れる事はないだろう。

だって俺、一途だからね。

それだけには自信があるんだよな。リリシアじゃなかったらこんな事思えないけどね。

リリシアを愛して守っていく事を俺の生きる糧にするのはそうそう悪くわないからな。

そんな事を考えながら彼女の手をぎゅっと握って離さなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エルフに恋をするのはおかしいだろうか? 光矢野 大神 @junia1125

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ