第10話 リリシアの秘密
ある夜――
晩御飯を私とママと一緒に食べる。いつもの楽しい食卓をいつものように過ごしている。
今日のハンバーグは、美味しいな。これなら2個食べれるよ、でもあんまり食べ過ぎて太って眞さんに嫌われたら嫌だから今日は、ここまでにしておこう。
今日も1日楽しかったなー。こんな日が毎日続くなんてここに来るまで想像してなかった。
ここに引越して来てこれから通う高校の道を知るためにちょっと散歩してたら道の途中で男の人が倒れていて、どうしようかと迷ったけどこれも縁だと思って助けてからあの人との関係はが始まった。
彼との日々を思い出すだけで笑みがこぼれてしまって恥ずかしくなってしまうけど思わずには、いられない。
私は、浮かれている。
彼の前では、落ち着いているフリをしているけど、実際は一緒にいて嬉しいという気持ちでいっぱいだった。
そんな事を考えていると突然母ママが口を開いた。
「ねぇ、天あなたもしかして男と付き合ってるの?」
ぇぇええええええええええ!!!!!!!!
何でばれたの?私1度も言ったことないのに?
「べ、別にママには関係ないでしょ!!」
「ふふーん、その反応はいるのね?」
やばーーい、私とした事がまた墓穴を掘ってしまった。
ママは、私に墓穴を掘らすのが大得意だ。まぁ、引っかかる私も悪いんだけど・・・・・・
「い、いるけど、それが何か!?」
少し強めに言ってみた。今出来る最大の虚勢を張った!!うぅぅ、最大にして最弱だよ・・・・・・
「別に、天も中々やるなーて思ってね。ふふふっ」
「ねぇー、何で分かったの?」
「え、だってあなた最近ずっと浮ついているし、それに天の考えてることなんて大体分かるわよ」
「え!私てそんなに浮ついていた?自分では頑張って隠したつもりなんだけどな・・・・・・」
軽くショックなんだけどな・・・・・・
「だって、よく鼻歌歌うようになったし、今だって、食べながら口角が上がってずっとニヤッとしてるし・・・・・・」
「うぅぅ、確かに鼻歌は、最近よく歌ってたけど、それだけで分かるの?」
「それはね、女の感よ」
「なによそれ!!意味わかんないよ!」
私の親にして恐ろしい人である。
まぁ、昔から感の鋭い人とは思ってたけど、まさかここまでとわね。
圧巻です。
「まぁ、そんな事は今はいいのよ。それで、相手の方はどれだけ知ってるの?」
「どれだけて?」
「天の力についてよ!あなた分かってるの!?自分の力について!」
母は、少し怒鳴って言った。
「うーん、まぁ大丈夫でしょ」
「大丈夫でしょって・・・・・・あんたねー」
「ねぇ、ママ、私思うんだけどね・・・・・・」
「何?」
私は、神妙な様子で言った。
「私ね、眞さんには話してもいいと思うんだよね」
「何言ってるの!そんなこと絶対出来るわけないでしょう!!」
母は、至って真面目に言ってきた。まぁ、当然だろう。母の言ってる事も分かる。
今までの私もそうだったからだ・・・・・・
絶対にバレてはいけない。そう思っていた。
私達家族だけの秘密だった。
「ねぇ、ほんとに駄目なの?彼はとてもいい人よ。私に対しての理解もあるし、知識だって一般人よりかはあるわ!だから・・・・・・」
私は、精一杯訴えた。
「彼がもし猫を被っていたらどうするの?」
「それは・・・・・・」
「彼がもしそれを学校中に言いふらしたらどうするの?」
「・・・・・・」
「分かっているでしょ?それをする事がどれだけあなたを危険にするかという事を」
「・・・・・・」
「だから絶対に言わない事。永遠を誓える相手だけよ」
「はい・・・・・・」
私は、返事をしてしまった。これじゃ何もならない事を知りながらも・・・・・・
「今度の日曜日に彼の部活の大会があるの。それには、行っていいでしょ?」
「まぁ、行くぐらいなら別にいいけど」
「良かった、それぐらいはいいよね」
「ただし、絶対に力は使わない事よ」
「分かってるてっ!」
「ハーーーーー」
部屋に戻ってため息が噴き出してきた。
母親に分かってもらうのは難しいそうだった。
でも、日曜日に出かける報告が出来て良かった。話を切り出すのどうしようかと考えてたんだよね。
「永遠を誓える相手...まだ分かんないけどこの気持ちはきっと、好きいや大好きということには変わらないと思うんだけどな...」
何だか、顔が熱くなってきた。
もう考えるのは止め!
あー、早く日曜日ならないかなー。
そんな事を考えながら眠りについた。
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