第6話小悪魔ちゃん
日曜日――
待ち合わせ場所は、駅前広場でそこに1時に待ち合わせだ。
俺は、人と待ち合わせなんてほとんどした事がないから、絶対に遅れては行けないと思い、12時35分には駅前広場に着いていた。
そして、今手汗が尋常じゃないぐらい出てきている。多分紙袋を持ったら破れるだろうな。
俺はかいた手汗をズボンで拭いた。
残り時間あと少し。あと少ししたらリリシアさんと・・・・・・
考えただけで悶絶してしまいそうになってしまう。自分でも相当痛い奴だと思ってるがしょうがない。
だって相手は、リリシアさんだからね。
悶絶しない方がおかしいだろうな。
俺は興奮状態を和(やわ)らげるために深く深呼吸をした。
「スーーハーースーーハーー」
これで少しは、和(やわ)らいただろう。
今回のこのお出かけは、上手くいけば向こうの好感度をぐーーんと高められるだろうけど、失敗したら・・・・・・まぁリリシアさんの事だからこっちが傷つかないように、少しずつ関係を解いていくんだろうな・・・・・・
それが一番怖い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
だからこのチャンスは、絶対に捨てられない!!捨てられる分けないだろ!!
俺の心は静かに燃えていた。
12時50分――
「もうそろそろかな」
そう言って必死で昨日の夜に探した腕時計を見てみる。
待ち合わせ時間まであと8分になった。もういつ向こうが来てもいい頃合いだろう。いつでも、いいようにしておこう。
そう思っていたその時だった。
俺から見て真正面の道から天使がやってきたのだった。その天使とは、もちろんリリシアさんのことだ。
彼女は、白を基調とした服を来てきていた。それが彼女の清純のスキルを限界まで高めている。
白いワンピースに、可愛い女の子が履くような(実際可愛いんだけど)サンダルに少しの荷物が入る手提げバッグ、そして素材の味を最大限に引き出すナチュラルメイク、どれも彼女に最高の輝きを醸(かも)し出している。
Simple is bestとは、まさにこの事だろうな。なにか特別なことは、しなくていいんだ。
最近の化粧に依存している女達に言いたくなったがそれはまた別の機会にしよう。今はこの眼に彼女の美しさを残しておこう。
俺の人生で最も目の保養になった。
肌も雪のように白く餅のように柔らかそうだ。
よく見かける化粧水のコマーシャルの女優並に綺麗だ。そばかすの1つない綺麗な肌は、触れただけで心が浄化されそうだ。
リリシアさん東京の方にいたら絶対にモデルにスカウトされていただろうな・・・
少し長めの描写になってしまったが、俺の言いたい事はいつも1つだ。
『リリシアさんは、死ぬほど可愛い!!』それだけだ。
俺の心はすぐに薔薇色に変わっていった。
「こんにちは先輩!!」
彼女は、そう言って駆けてきた。
「おいっす」
いきなり「おいっす」てどうなんだろう?引かれたかな・・・・・・不安にかられてしまう様なことはいうもんじゃないな。
「おいっす?おいっすです!なんちゃって!」
そう言って彼女は、自分でやって少し恥ずかしそうにした。それを見た俺も恥ずかしくなった。
やべぇーーめっちゃキュンキュンする・・・・・・
「今日は、一緒に本屋に行けて嬉しいです!」
うん、俺もだ。
「こっちこそ、嬉しいよ。今日は、よろしくね」
柄にもないことを言ってしまうな・・・・・・まぁ、仕方ない、今日だけ許そう。
「はい!よろしくです!!」
俺は笑顔の返事にただ頷くことしかできなかった。
そんなことでこれからさき大丈夫か不安になる。たったの半日程度だけどね。
そんなこんなでデート(自分からしたら)スタート!!
電車内――
電車に乗って隣町の一番大きい本屋に行くのだけど俺は、それまでに死ぬかもしれない。
死因は・・・・・・キュン死だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・耐えられる分けないだろう!!!!!!!!!!!!!
俺は心の中で悶絶しながらそう叫んだ。もしその叫びを今本当にやったら、多分電車に乗っている人の鼓膜は、跡形もなくなるだろうな。
それだけ今の状況がやばいという事だ。
「ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ」
どんどん心臓のなる音が早くなっている。こんな事今まで無かったからな仕方ない・・・・・・
なぜ俺がこんなにも悶絶して地獄を見てるかと言うといや、見方によれば天国かもな・・・まぁどっちでもいい、とにかく今の状況は、童貞を殺す環境としては、充分足りるだろう。
リリシアさん・・・・・・・・・胸当たってますよ。
・・・・・・・・・そんな事言えるわけないだろう!!!!!
詳しく説明しよう。
俺とリリシアさんは、今電車の席に一緒に座っている。それだけで結構な事だが・・・・・・
その後、今日の事を少し話、この前あった面白いと思う話をして、それから少しして横を見てみるとリリシアさんは眠くなったみたいで、うとうとし始めた。
そして完全に寝てしまった。
「スーースーー」
寝息も少し聞こえる。
無性に可愛いな、惚れ直したな。
そんな事を考えてた時に電車が「ガタンッ」としてリリシアさんは、少し体勢をずらしてこっちに寄りかかってきた。
そして、彼女の胸にある柔らかな山脈が俺の肩に「ぷに」と当たった。
そして今だ。
・・・・・・うーんこれは、CよりのDかな。
そんな事を考えてる場合じゃあないだろ!!!!!!!!!!!!!
ずっとこのままがいいがそれだったら、俺の理性が本能に負けてしまうから何とかこの状況を打破しないといけない。
でもどうしたらいい?
そうして考えていたらまた「ガタンッ」と電車が揺れた。
そしてリリシアさんは更に体勢を崩して、こっちに倒れてきた。
「はァーーーー!」
思わず少し声を出してしまった。慌てて口を閉じたけど・・・本当にヤバい。
早くこの現状を打破しないと本当に本能が爆発してしまう!
もし爆発してしまったら・・・・・・・・・
俺は、社会的に殺され、その後も死ぬまで後ろ指を指されながら生きていくことになってしまう。
それだけは、避けなくては!
俺は、オドオドしながらリリシアさんの肩に両腕を伸ばし向こうの体勢を立て直そうとした。
そぉーと、そぉーと、バレないように、起こさないように、細心の注意を払って少しずつ直していく。
よし、何とか上手く行きそうだ。だけど、そう俺が油断した時だった。
「ガタンッ」
電車がまた揺れた。その時だった。
「んーーー、すいません寝てしまいました。ん?、先輩何してるんですか?」
俺は、一瞬にして頭がブラックアウトした。
電車が揺れた時に今度はこっちが体勢を崩してしまい、気が付くと、周りから見たら俺が彼女を押し倒しているようにしか見えない状態になってしまった。
「いや、これは、違うんです、その、何とい言うか・・・・・・」
俺は、必死で言い訳を考えたが浮かばない・・・・・・
何も悪い事をしてないのに、なんでこんなに慌ててしまうんだろうな。人間て不思議だなー。
俺はプチ哲学に入っていた。
「あのーー」
「あ、はい!!!」
プチ哲学なんて吹き飛んでしまう声が聞こえた。思わず返事をしてしまった。
「ずーっとそうされると恥ずかしいですよ」
彼女は、そう言って少し顔が赤くなった。
「は、はい、すいません」
「あの、本当に違うんで・・・」
「何がそんなに違うんですか?」
「そ、それは」
彼女は、さっきの赤らめた顔をすぐに元に戻して、お返しとばかりにからかってきた。
「いやらしい事を考えてたんですね!」
「いやいや断じてそんな!」
「だって何もしてないじゃないか!!」
「まぁ、あの状況で抱きつかない先輩は、すごいですね!」
「元々、そんなつもりはないよ!」
「えぇ、それは私に魅力がないってことですか?シヨック・・・・・・です」
「それは、絶対ないから安心して。俺が絶対保証するから!」
「ふふふ、嬉しいですね!」
彼女は、そう言ってにこりと本当に嬉しそうに笑った。
そして俺は、ふと気づく。
「ちょっと待てよ、さっき言ってた『あの状況』てもしかして起きてたの!?」
「さぁーどうでしょうねー。内緒です♪あ!駅に着きましたよ!さぁ行きましょう先輩!」
「ちょ、ちょ、待ってよ」
そう言いながら俺と彼女は、電車を降りた。
この件は、俺の中で一生「リリシア小悪魔事件」として残ることとなった。全く困った人だよ!
でも「内緒です♪」の言い方可愛かったなー
どうやら俺は、リリシアさんには甘々みたいです。でもそんな自分は、嫌いじゃない。彼女も嫌いになれない。
そして俺は「小悪魔属性まで入っているなんてどんだけーーー」と内心少し喜んでいた。
はぁ、うちの彼女はなんて可愛いんでしょうか。
抱きしめたい願望が右肩上がりで急上昇していた。
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