第14話
文太郎が静江の死を悲しんでいると、道場の扉が開く音が聞こえた。そして扉から二人組の男が入ってきる。
「
「二人とも任務はわかってるな。俺たちはこれから"レア"ゾンビを捕らえる。名前は須藤。おそらく奴はここに来る、だがいいか殺すなよ。生きて捕らえるんだ。銃弾はこっちで用意した強力麻酔弾を使う。それとここに、柏木と島木が向かってるそうだ」
「
「わからん…… 残念だが確証はない、だが、他に"レア"を探す方法もない。これにかけるしかない」
「
「一体、どうなってる? 」
文太郎は叫ぶと恭子が静かな声で話しかけた。
「文太郎くん、落ち着いて、大きな声を出さないで」
文太郎はハッとした顔で恭子を見る。
「ご、ごめん……」
文太郎が謝ると、恭子がジッと自分を見ている事に気づいた。なぜ見ているのか理由がわからず文太郎はキョトンとした表情をしていると恭子が文太郎に目配せし始めた。
文太郎は不思議に思い、恭子の視線の先を見ると彼女の手には棒状の手裏剣が握られていた。
恭子は先ほど文太郎に駆け寄った時、咄嗟に床に散らばっていた手裏剣を自分の懐に隠していたのだ。
恭子は手裏剣を使って、
文太郎もすぐさま手裏剣で結束バンドを切るとドゴン!!と突然、外で爆発音のような大きな音が響いた。しかし、その後はなんの音も聞こえない。
しばらく静寂が続くと、
「
「立て!」
「動くな! 両手を上げろ!」
文太郎はライフルを
文太郎はさらに
「
しかし
「文太郎くん、刀を持って来たわ。あと、取り敢えずこいつを縛りましょう。仲間が戻ってくるかも」
「わかった。恭子悪いんだけど、こいつの結束バンドを取ってくれないか。慎重にな」
恭子が
「後ろを向け」
文太郎は
「文太郎くん、こいつのポケットに車の鍵があったわ。こいつらの車で逃げましょう」
恭子が文太郎に車の鍵を渡した。
「サンキュー 恭子、こいつの仲間が戻ってこないかちょっと外の様子を見てみるよ。出入り口は向こうにもある。大丈夫だったらそこから逃げよう」
「わかったわ。文太郎くん、見つからないでね」
「了解!」
そう言いながら文太郎は道場の窓から外を見ると驚きの声を上げた。
「きょ……恭子、た、大変だ。須藤だ! 須藤がいる!なんで?」
「え! 嘘!」
流石の恭子も驚き窓から外を見る。
「ほんとだわ。何しに来たのかしら? あれ?でも、外に出ていくみたい」
庭では須藤がジッと立って警戒するように周りの様子を伺っているとすぐに外に出て行った。文太郎は正門が壊れている事に気が付いた。
「本当だ、出ていくぞ! あれ?ちょっと待て、正門が壊れてる。さっきのあの爆発したような音は正門をぶっ壊した音か! で、でも、どうやって壊した? 」
文太郎は何が起こったのかわからないまま窓から庭を見ていた。
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