第45話 今日も今日とてやらかしました。

 ワタクシ橋本小春

 今日も生徒会のパートタイム庶務係

 いいかげん東條先輩痴女セクハラ発言にも慣れた今日この頃

 皆さま如何いかがお過ごしでしょうか?


「ふぅ……誰か残ってるかな?」

 校門近くで知り合いを探してると……


 うわ……後輩ちゃんだ……


 目が合っちゃいました。

 親のかたきを見るような目で睨んできます。

 相変わらずワタクシには容赦ないです。

 オーラで殺されそうです。


 こういう時に限って美香っちも亜弥っちもいねーし……

 うん!見なかったことにして帰ろう!

 と思って校門を通ろうかなーと思ったら……


 無表情なまま後輩ちゃんズンズンと近づいてきました!

 何々⁉ワタクシなんも悪い事してないよね?





 お昼休みの事です。

 美鈴わたし、またやらかしちゃったみたいです。


 今日も小雪先輩のひざ枕は気持ちいいです。

 暑いけど気にしません。

 愛があれば気にしません。


 ところで……

 今日は小雪先輩からいい匂いがします。

 いやいやいや!

 いつもいい匂いです!小雪先輩は!

 でも……今日は特に……

 

 どこから漂ってくるんだろ?クンクン

 私は小雪先輩の太ももをクンクンします。


「ちょっと!美鈴ちゃん!」

 クンクンに夢中になってる私は聞こえてませんでした。


「あ、ここですね?」

 夢中になり過ぎた私は、思わず小雪先輩のスカートをめくっちゃいました。


 気が付くと……

 

 多香子先輩は真っ赤になって顔を手で覆っています。

 淳子先輩は「ふわあああ♡♡♡♡」って言いながら真っ赤な顔して倒れました。

 それを小春先輩が「生きる事をあきらめないで!」とか言って介抱してます。

 友香先輩は必死で何かメモしています。

 柴田さんと佐久間さんは「わーお♡過激すぎぃ」って盛り上がってます。


「な……何やってるの美鈴ちゃんっ!」

 小雪先輩が真っ赤な顔して震えています。

 あ……


 私は小雪先輩のライムグリーンのパンツを晒したまま硬直……

 また……またやらかしちゃいましたっ!






 ワタクシの前で止まった途端、半泣きになった後輩ちゃん。

 あーあ、昼休みの事でうじうじしてたな?(察し)


 ぽふっと後輩ちゃんの頭に手を置いて……

「内ももとか足首にロールオンの香水つけてふわっとわずかに匂わせるって事を知らなかったんだよね?よしよし」

「う……」

 もう泣く寸前です。

 だったらやるなよ!


 もうメンドくさいので後輩ちゃんの手を引っ張ります。

「な……何するんですか小春先輩!」

「後輩ちゃん、小雪に『「よろしく」は、自分から言ってもいいんだよ』って言われた時あんでしょ?」

「あ……ありますけど」

「『ゴメンなさい』も言っていいんだよ」


 我が家に到着

「小雪!大物が釣れたぞ!門を開けぃ!」

 ジタバタしてる後輩ちゃんを抱えて小雪の部屋に……


「ゴメンなさい、小雪先輩」

 謝る後輩ちゃん。

「そんなの気にしなくていいのに、美鈴ちゃん」

 小雪がぽふっと後輩ちゃんの頭に手を置きます。


 まあ、後輩ちゃんに悪気はなかったんだろうし、謝る必要もないんだけど……

 「ゴメンなさい」の一言で元通りなら、それでいいじゃん。

 結局その一言で元通りになれる仲なんでしょ?2人とも。


 落ち着いたみたいなので自分の部屋に帰ろうとしたら……

「小春先輩……」

「ん?」

「あ……ありがとう……ございました……」

「うん」

 ニコッと笑って手を振ります。


「それはそれとしてすごく感謝してますけど絶対小雪先輩は返しません!こんな事で私に恩を売ったとか思わないでください!」


 照れ隠しかもしんないけど、真っ赤になって言う事ないじゃん(泣)

 やっぱり後輩ちゃんは私にだけは容赦ないなー

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