第36話 文化祭(その1)
夏休みも終わって9月
ウチの高校、ちょっと早めの文化祭が始まりました。
「小春たちのクラス『メイド&執事喫茶』だってさ」
「今更それやる?古っ!」
「でも美味い作戦だよ。他のクラス今更やんないから模擬店かぶらないもんね」
「おー、そういわれてみればそうかも。更に今なんてメイド服や執事服のコスプレ衣装貸してくれる所っていっぱいあるしね」
「うん、変に凝ってお化け屋敷とか準備も借りる物も大変な模擬店するより賢いかもねぇ、策士がおるなあのクラス」
「お、ここここ」
模擬店になった教室に入っていく。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「あははは!小雪似合いすぎ!」
某関西系のパン屋の制服
ブルーのスカートとスカイブルーチェックのエプロン
そして……エプロンの上に鎮座する純白のブラウスに包まれた巨乳!
「恐ろしい子……こ、これが巨乳の破壊力か……」
「胸囲の格差社会……わかってた……この世には建前ですら平等なんてない……」
「思いっきり笑い飛ばして何でいきなりダウナーはいってんの⁉おかしいよ!」
「お……お帰りなさいませ……お嬢様……」
淳子がやってきました。
羽織袴姿の大正娘風
可愛い事は可愛いけど……うーん……
「なーんだ、淳子普通過ぎ」
「そうだよ、巨乳に眼鏡っ娘って属性持ってるんだから!もったいない!」
真っ赤になって淳子が奥にいるクラスメイトを指さして……
「だって……初めはあれ着るって……恥ずかしい……から……変えてもらって」
そのクラスメイトが来ていたのは……
ふわっとしたブラウス
ミニスカートとエプロンが一体化したオレンジの制服
そう!巨乳こそ似合うあのレジェンドファミレス制服!
「ア〇ミ〇は淳子が着るために存在してる制服でしょうがああああっ!」
「巨乳バンバン強調しろよおおっ!生足ドーンと出せよおおおおおっ!」
「多香子ちゃん友香ちゃん!なんで私キレられてるの⁉」
「んで小春は?」
「そうそう、絶対似合ってない貧乳メイドを笑いに来たのに」
「あー……お姉ちゃんは……ある意味ナンバーワンです」
「「ん?どゆこと?」」
「んじゃ小春、転ぶから支えてね」
「おっけー」
「あんっ」
わざとらしく転ぶ同級生
それを受け止めるのは……
髪をかっちり結って、ボーイッシュに執事服を着こなしているお姉ちゃん
「あっ、ありがとうございま……す……」
「ちっ、ほっそい腰しやがって……ちゃんとメシくってんのか?」
「どう?」
「「「いい!小春最高!」」」
「………なに?あの茶番……」
「いやぁ……男子が面白がって執事服着せたら指名ナンバーワンになっちゃった」
「ただのシチュエーションプレイじゃん!」
「お姉ちゃんの芸人魂に火がついちゃった、あはは……ネタっぽいの大好物だし」
「おすすめはなんですか?」
指名してきた女の子をお姉ちゃんが超イイ笑顔で見つめて言います。
「あなたの好きなものを頼んでください。そうして頂ければ私は最高のひと時を提供します(きりっ)」
「執事さん、このフルーツクレープって美味しいですか?」
「(顔を近づけ、目を見つめて)召し上がって頂ければ…(ワンテンポおいて)…わかりますよお嬢様」
「「「いや~♡小春最高!」」」
「なんだこの茶番!」
思わず
「こ……小春……ちょっと……いいかも……」
「何言ってんの!友香!」
ダメだこいつ!百合スキーだと思ってたら……腐ってやがる!
「こ……小春ぅ……」
「あ、なになに?友香もご指名?」
「え?いいの⁉」
「うん、次の予約まで5分くらい時間できたし」
「えーとね!えーとね!」
友香テンションスーパーマックスです。
壁ドォンッ!
「注文……何すんだよ……(低音イケボで)」
「えっ……あの……あのぉ……」
「わざわざお前のために時間とってるんだぜ?早くしろよ」
「あ……えと……ミルクティを……」
「あ、それだけ?(更に低音イケボで)欲しい物全部……言っちゃえよ……」
「う……うん……ケーキ……セットも……」
「(顔を近づけニコッと笑い)なんだ、ちゃんと言えるじゃん」
「うん……」
「(友香から離れて)好きなところに座ってな。すぐ持ってきてやるよ」
「「いえーい!」」
ケーキセットを前に、小春と友香がハイタッチしてます。
「めっちゃエモい!」
「それ食べたらまた予約する?」
「うん、小春の指名予約するよ!」
親友が悪い水商売に引っかかってる!
「落ち着け友香!それ中身小春だぞ!冷静になれ!」
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