第34話 増殖
最近、お昼休みに仲間が増えました。
美鈴ちゃんのクラスメイトです。
お昼休みになると、ご飯を食べ終わった後中庭に来て、私の太ももから美鈴ちゃんを引きはがして弄りまくってます。
「スズっち~♡」
「スズっち~♡」
「スズっち~♡」
「何で小春先輩混じってるんですか!」
波長があったのか、美香子ちゃんも亜弥ちゃんもお姉ちゃんに懐いてます。
っていうか……この3人、多分だけど
「混ぜるな危険」的なやつです。
私の心のエマージェンシーアラートが鳴りっぱなしです!
「いやぁ……ついノリで」
「バカなんですか死ぬんですか⁉小春先輩は淳子先輩とキャッキャウフフでイチャイチャラブラブしてればいいじゃないですか!」
「んじゃ私達もキャッキャウフフでイチャイチャラブラブしようぜスズっち」
「そうそう、小雪先輩への愛を1%でいいから分けておくれよ」
「ちゅーしよーぜスズっち」
「私も私も」
「あなた達に与える愛は1mgもありません!離れて下さい!」
にぎやかになりました。
正直、この炎天下ではちょっと暑苦しいです。
いつもの中庭の木陰、8人で過ごすにはちょっとだけ狭いなぁ。
「いえ~ぃ♡」
美鈴ちゃんは2人にもみくちゃにされて自撮りされてます。
「いえ~ぃ♡」
それをスマホで撮ってるウチの姉
バカって
あんたはこの炎天下、ずっと
放課後
淳子ちゃんとお姉ちゃんと一緒に帰ります。
たまたまですが、美鈴ちゃんと美香子ちゃんと亜弥ちゃんも帰る途中でした。
「さよなら~」
「また明日~」
「………………」
美鈴ちゃんはツインテールを1本ずつ2人に持たれて連行されていく。
頑張れ、逮捕直後の犯罪者みたいな目をしてる美鈴ちゃん。
「お昼休みもにぎやかになったね」
淳子ちゃんが言います。
「そうだね」
私も答えます。
「まあ、恥ずかしがり屋の後輩ちゃんが頑張った成果ってとこだね」
お姉ちゃんが言います。
「でもね、多分後輩ちゃんの周りにはもっと一杯友達が集まるよ」
「?」
私と淳子ちゃんはわかんなくて顔を見合わせます。
「だって、後輩ちゃんはちょっとコミュ障かなり不器用だけど、一緒にいると楽しいじゃん」
納得、私と淳子ちゃんは顔を見合わせて笑います。
ホントにお姉ちゃんはみんなの事、一生懸命一人一人を見てるなあって……
「んで、1年は1年で仲間が増えて、いつか後輩ちゃんも私達と違う仲間作っちゃうかもね」
まあそうなるとしても、しばらくは私達の周りは騒がしそうです。
「さよなら」
「「さよなら」」
途中で淳子ちゃんと別れます。
その後、久しぶりにお姉ちゃんの腕にしがみつきます。
「えへへ」
「ん?どしたし?」
「んー、久しぶりにお姉ちゃんの隣を取り返したかなって」
「いつもいるじゃん、私」
「じゃなくて、んー……そういうのと違うし」
「ちゅーする?」
「しないよ!」
「胸は?」
「台無しだよもう!」
次の日のお昼休み
今日も夏の日差しから逃げるように、8人で木陰を騒がしくしてます。
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