第33話 1年生たち

 私は倉島くらしま美鈴みすず

 高校1年生です。


 私の目の前でほっぺをつついて遊んでるのは柴田しばた美香子みかこ

 私の後ろでツインテを弄んでるのは佐久間さくま亜弥あや

 最近仲良くなったクラスメイトです。


「スズっち(私の事です)今日もご機嫌斜めだね?」

「柴田さんがほっぺツンツンしてるからです!」

「やーい、美香っち怒られてるし!」

「佐久間さんも髪放してください!」

「あはは、結局亜弥っちも怒られてるし!」


 小雪先輩に言われて、クラスメイトとも会話するように努力してます。

 でも……

 何ですか!このバカ明るい2人は!


「いやー、入学式からスズっち可愛いって思ってたんだよ」

「そうそう、最近ATフィールドが薄くなってきたから触りたおしてんの」

 私はそんな超科学なバリア張ってません!

「ほらほら、そんな怖い顔してたら、愛しの小雪先輩に嫌われちゃうよ?」


 ぼんっ!

 一瞬で顔が赤くなります。


「ホントスズっちは反応いいよね?」

「スズっち可愛いー」

 触るな触るな。


 小雪先輩をうちに呼んだ時、「アンタの魅力でメロメロにしちゃえ!」ってアドバイスしてきたのはこの2人です。

 セクシー下着で迫って、大失敗しました。


「それはスズっちのせいじゃん!」

「なら、私の魅力でメロメロにってどうすればよかったんですか?」

「スズっちは何でも極端に考えすぎだよ」

「そうそう、いきなり小雪先輩の唇とか胸とかその他諸々を奪おうとするのが失敗だね?」


「じゃあどうすればですか?何から始めればいいです?」

「ハードル低いとこからコミュニケーションすりゃいーじゃん」

「いつも小雪先輩にはひざまくらしてもらってますけど」

「スタートのハードルが高すぎるな!そっちのほうが難しいわ!」

「小雪先輩ってスズっち甘やかしてるなぁ」

「あ、そうそう、軽くほっぺにちゅーとかだったらできるじゃん」

「ほっぺ!……ちゅー?」


 ぼんっ!

 一瞬で顔が赤くなります。


「なんで毎日ひざまくらしてもらってる子がほっぺちゅーでそんなに照れる⁉」

「しかも小雪先輩してくれてるの、正確に言ったら太ももまくらだからね⁉」

「で……でも……ほっぺ……ちゅう……あわわわ……」


「こんなの女子だったらおふざけでするじゃん」

 ちゅっ……

 柴田さんが佐久間さんのほっぺにキスします。


「はわわわわわ……」

「スズっち赤くなりすぎ。唇じゃなかったらハードル低いでしょ」

 ちゅっ……

 佐久間さんが柴田さんの耳たぶにキスします。

「ひゃんっ!耳はダメだろ亜弥っち!」

「はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ……」

 多分私の最高血圧200超えてます!


「とにかくそれぐらいは頑張れスズっち!」

「立ち上がれよGladiator!すっこめ臆病なHater!」

「ペンは剣よりヒ〇ノ〇スマ〇ク!」

「Say Ho!」

「Ho!」

「Say Bump!Bump!Bump!」

「Bump!Bump!Bump!」

 何故に2人は私にグッドなライムくれるんですか?




 昼休み

 いつものメンバーでお昼ご飯食べてます。



 お弁当食べ終わって、いつもの通り小雪先輩の太ももにコロンと……

 下から小雪先輩の顔を見上げます。

 唇じゃなかったら……唇じゃなかったら……


 ちゅっ……

 私がチョイスしたのは、小雪先輩の太ももです。


「「「えええええええええええええええええっ⁉」」」

 周りが大騒ぎです。

 あれ?


「な……何やってるの美鈴ちゃんっ!」

 小雪先輩が真っ赤な顔して震えています。

 え?


「ふわあああ♡♡♡♡」

 淳子先輩が真っ赤な顔して倒れました。

 どうして?


「ど、どこにキスしてるの後輩ちゃん!」

「エロっ!後輩ちゃんそんな淫乱キャラだった⁉」

「それやったら次は小雪のパンツの中にしかキスできないよ⁉ふおおおお!」


 私はなんかやらかしてしまったようです。



 2階、1年の教室の廊下

 2人が中庭を見下ろしてます。


「やっちゃったねぇ」

「やっちゃったねぇ」

「スズっちはやっぱ面白いねぇ」

「あははは、可愛いー」

「んでどうする?」

「どうするって?」

「助けに行く?」

「なんでよ!こんな面白くなっちゃってるのにわざわざ鎮火しに行くわけないじゃん!」

「だよねー」

「あ、スズっち真っ赤になってる」

「泣く寸前の顔してる」


「やっぱ前言撤回、フォローしにいこうか?」

「そだね」



 1年生たちのお話でした。

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