第17話 衣替え
夏だ!夏服だ!
「いやー、半袖になると一気に夏感増すよね。」
お姉ちゃんがボソッと言いました。
「男子の視線が気になるよね……」
「私はお姉ちゃんの視線が怖い!」
またお姉ちゃんが訳の解らない主張で熱くなりそうです。
暑苦しい……
「夏服だよ!透けブラで男達を煩悩ハイにしてあげるのが我々の崇高な使命だろ!」
「お姉ちゃんの主張、頭おかしい!」
「まだ初夏なのに、これから更に暑くなったら小春の脳みそは煮え煮えだな」
「そもそもデケぇ2人がインナー着てるってのはどういう事だ!」
大きい組の私と淳子ちゃんは戦慄を覚えました。
淳子ちゃんは「ひっ」と怯えて、私の後ろに隠れました。
「お姉ちゃんハウス!ハウス!淳子ちゃん完全にビビってるじゃん!」
「がるるるる……」
友香がいらん事を言い始めました。
「透けブラは置いとくとして、淳子ちゃんも小雪ぐらいに大きいよねぇ?」
淳子ちゃんが真っ赤な顔で答えました。
「そ……そんな……小雪ちゃんみたいに、Eカップとかじゃないし……」
お姉ちゃん達が叫びました!
「「「Eカップだとおおおおっ!」」」
お姉ちゃんが私の胸倉を掴んできました。
「貴様あっ!まだ育ったのか!まだ神に抗い続けるのかあっ!」
「知らないよ!お姉ちゃんが毎日揉むからじゃないの⁉」
「私のも揉め!」
「バカなの⁉」
「1日1回と言わず、食前食後に揉め!」
「使用上の注意が間違ってます!」
そんなこんなで、絶対に言いたくない個人情報の開示が始まりました。
私:Eカップ
淳子ちゃん:Dカップ
友香:Cカップ
多香子:Bカップ
お姉ちゃん:Aカップ
綺麗にそろいました。
「淳子がこんなに着やせするとは……冬服って恐ろしい……」
「あ……あんまり……見ないで‥恥ずかしい……」
「いいや……それよりも何よりも……」
お姉ちゃんが多香子を睨み付けています。
人生に失望した目です。
「多香子……親友だと思ってたのに……」
「なんでガチで泣きそうな顔してる⁉」
「あなたは……人としてやってはイケない最低限のラインを越えた……」
「目の端に涙たまってるし!」
「いったい……人生って何なんだろうね……」
「いいから小春こっちの世界に帰ってこい!」
多香子が呆れたようにため息をつきました。
「我々貧乳勢は無駄な抵抗やめよう?」
「貧乳勢⁉ひ……貧乳勢……」
「現実見ようよ!」
「そんな現実見たくない!」
「だいたい小雪や淳子みたいにデカかったら、インナー着ないとぱつんぱつんでスケスケだよ?男どもが欲情しちゃうし」
「すればいい!そんなけしからん物抱えてる奴は視姦されてしまえ!」
「おい!遵法精神!」
友香が言いました。
「でもやっぱ暑いのヤダし。透けても大丈夫なの着るのがいいかな?」
「ベージュとか?」
「おばちゃんじゃないし!」
「うわぁ……友香おばちゃんだぁ……」
「その言い方やめろ!」
「みなさーん!おばちゃんがでたぞーっ!くれぐれも注意してください!外出は控えてください!」
「猛獣か犯罪者が脱走したみたいな言い方やめて!」
超くだらない話題で、衣替え初日は終わりました。
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