第13話 新しい友達?

 先回の続きです。

 淳子に「好き」って言われました。

 男子からもこの間告白されたし……

 私、モテ期来てるよ!


「えーと……淳子……好きって?」

「好き……好きなの……小春ちゃん……」

 淳子がキュッと腕にしがみついてきました。

「えーと……友達として?」

「ううん……それ以上の気持ち……」

「え……ええっ?それって……」

「小春ちゃんなら全部あげていい……唇だって……処女だって……」

「キスはともかく後のはレーティング変わっちゃうからね⁉」


 淳子が腕にしがみつきながら話してくれます。

「私……女の子好きなの……というか……男の子苦手で……」

「うわ……リアクション困るし……」

 でも解る気がする。淳子内気だし……

 女の子好きなのはちょっと理解に困るけどね⁉

「だからこの前の告白……色んな意味で困ってた」

「苦手な男子に告白されたから?口下手だから?」

「そういうのひっくるめて……全部困ってた……」

「そっか」

 ざっくりだけど、なんとなく理解はできた。


「困ってた事を全部解決してくれたのが小春ちゃん……」

「それは結果論だけどね?私がムカついたからチャラ男隊殲滅しただけだし」

「それで好きになっちゃった……」

「吊り橋効果とかの類じゃん!そういうので好きになったらダメだって!」

「そうかもしれない……でも、小春ちゃんが大好き!」

「淳子!顔近い近い近い!」


 すごく切ない表情で淳子が聞いてきました。

「女の子同士ってダメかな?気持ち悪い?」

 あー。

 ごく一般的な世の中の事はさておいて……

 本気なんだ……淳子は……

「気持ち悪くはない」

「そうなんだ」

「小雪の胸はほぼ毎日揉んでるし、時々入浴シーンを激写しにいくし、冬場は寒いので時々ベッドに肉布団として拉致る。たまに寝起きを襲って、低血圧で起きれない小雪の血圧を上げてやってる」

「えーと……ごめん小春ちゃん。小雪ちゃんにそんな事してんの⁉」

「でもさぁ、単なる悪ふざけなんだよね」

「あ……」

 淳子は解ってくれたようだ。

 ふざけてイチャコラすることはあっても、女子を恋愛の対象に出来るかは別問題


「そっか……小春ちゃん……」

 私の腕に抱きついたまま、淳子が淋しそうな顔をします。

「淳子、友達になろう?」

「へ?」

「なんかさぁ、私がフッたみたいな空気になってるし、そういうので『友達もやめます』みたいなのってイヤじゃん?」

「……」

「だから改めて、ちゃんと友達になろうよ」


 淳子わたしは胸が熱くなりました。

 ああ……

 いいなあ。

 ちゃんと向き合ってくれてる感じの言葉……

 やっぱり小春ちゃんていいなあ……


 ちゅっ……

「な……な……何事おっ!」

 淳子に奇襲された!

 ほっぺにキスされました。

「友達だったら、悪ふざけぐらいはいいよね?」

「まあ、ほっぺくらいならねぇ……ファーストキスはあげないよ⁉」

「気が変わったら教えてね?小春ちゃん」

「気が変わったらね」

「あ、そろそろムースのケーキがよく冷えてる頃だけど、食べる?」

「それは普通にいただきます!」

「くすっ、やっぱり小春ちゃんって面白い」



 お姉ちゃんが柚原さんちに遊びに行って、大量のケーキをお土産に持って帰ってきました。

 全部柚原さんの手作りだそうです。

 いいなー。私も行きたかったなぁ。


 次の週から、お昼休みは毎日柚原さんが合流してきます。

 先週の土曜日でよっぽど気が合ったのか、お姉ちゃんの隣にべったりです。


 新しいお友達が出来ました。

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