第4話 取り換えっこ

 リビングに降りていくと、小雪がソファーで寝っ転がってました。

「すう……」

 床には文庫本が落ちてます。

 ポカポカ陽気に負けて、寝ちゃったのでしょう。

 小雪の可愛い寝顔を見て、一つ思いつきました。

「ぐふふふ……お嬢ちゃん……無防備すぎだぜぇ……」

 別にやらしい事は考えてません。


「ん……あ……あれ?」

 寝ちゃったみたいですが、眼鏡どこいっちゃったかな?

「おはよー、小雪」

「へ?」

 ぼやっとした視界の中に、の顔が……

「お姉ちゃん。なにやってんの?」

 ポニテをほどいて私の眼鏡をかけてるお姉ちゃんが……

「やってみたかった。でも眼鏡クラクラする……」

「眼鏡返してよ!」


 眼鏡は返しました……うー酔いそう……

「ねぇ小雪、これで服も変えて外いってみようよ」

「何でそんなバカな事考えつくの?」

「イヤなら伊達メガネかけて私だけいってくるぜ!」

「イヤな予感しかしない!」

「おそとはしってくりゅううううっ!」

「わかりました!やるから絶対1人で行かないで!」


 どーん!

 私は春っぽく、淡いグリーンのワンピース

 薄手のカーディガンにフリルのソックス

 あと伊達メガネ!


 小雪はTシャツにパーカーにホットパンツ

 ニーソ履かせてシュシュでポニテに……

 あと、あまり好きではないみたいですけどコンタクト入れさせました。


 とりあえず、駅前に行くことに……

「いやぁ、誰か知ってる人来ないかなぁ?入れ替わってるのバレないか試したい」

「普通にバレるよ」

「そっかなあ?」

「てか……落ち着かない……こんな足出すのって……」

 私は足を合わせてモジモジしてます。

「JKだよ?生足出して行こうよ!」

「うー……お姉ちゃんは楽しそうで何よりですね?」

「いやー、こういう清楚系着るのってないから新鮮!」

 イヤミが通じない姉でした。


「あ、そうだ」

 ぎゅっと小雪の腕につかまりました。

「何⁉」

「えへへ……小雪お姉ちゃん……」

「どういうこと?」

「一度妹やってみたかったんだよ」

「ゴメンお姉ちゃん。全く意味わかんない。」

「えへっ☆小雪お姉ちゃんだーい好きっ♡」

「少なくとも私、そんなキャラじゃないし」

「ねえねえ、『小春ちゃん』って呼んで」

「ちゃんづけ?普通にキモイ!」

「小雪お姉ちゃん……昨日の夜はすごかったね?小春あんなに泣いてたのに許してくれないんだもん……はあはあ……」

「私の服着て誹謗中傷やめて!」


 駅前で2人のクラスメイトと会いました。

「あー、小春に小雪じゃん」

「やっほ」

 しばらくクラスメイトが私達を見て……

「何々?入れ替わりごっこやってるの?また小春がバカな事考えたんでしょ」

「え?一発でバレた?何で?」

 2人が同時に言いました。

「「胸」」

 お姉ちゃんが「ノーバディ!ノークラアアアアイッ!」と謎の単語を叫びながら2人を虐殺しようとしたので、必死に止めました。

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