昔話 蛇神様と蛙達③

こうして蛙達は蛇神様に見送られ、清竜川へと向かいました。

 しばらくして清竜川にたどり着くと案の定、蛇達が川や川のほとりをうろうろしていました。

「よし、いくぞー!」

「おー!」

近くの草むらに身を潜めていた蛙達は意を決し、川向こうの岸に向かって走り出しました。

「シャーッ?!(うわぁ、人間だ!)」

「シュシュー!(逃げろ! 捕まるぞー!)」

「シャー!(食べられるのは嫌だー!)」

 蛇達は突然現れた大勢の人間の子供達に驚き、慌てて逃げていきました。

清竜川の水かさは浅く、足首が浸かるほどしかありません。蛙達はバシャバシャと音を立てながら川底を歩いて渡り、やがて全員無事に対岸へと渡りきりました。

「やったー!」

「へび、にげた!」

「これでしんてんちめざせるです!」

 蛙達は蛙だった頃と同じようにぴょんぴょんと跳ね、喜びました。

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