エピローグ-B
ごちそうさまでした、と全員で手を鳴らす。
ここはジャパリパーク、キョウシュウエリア。しんりんちほーの図書館である。
「でーもー?さっきの私の話は、確実にツチノコと言いきれないかなー、理由も少ないしね?ほんとうにツチネコのフレンズかもしれないしー」
食卓を囲んでいたうちの一人、フェネックが話す。話題は、先程うどんをすすりながらしていた話だ。彼女たちが昔遭遇した、未来からきたかもしれないフレンズの話。
「フェネック、ツチネコなんて動物はいないのです」
「それぐらいわかってるよ〜」
アフリカオオコノハズクの博士がそれに口を挟むが、フェネックは少々眉をひそめてそう返した。
その後も、しばらく談笑が続く。
シロ、かばん、クロ、コノハ博士、ミミちゃん助手、フェネック、アライさん。
随分と大人数である。愉快な話のなかで、助手がみんなに話したいことがあると手を挙げた。
「どうしたのだ!?」
「あれー、もしかして・・・」
「なんだなんだ?」
「助手さん、どうしたんですか?」
「助手、なにがあったのです?」
場のみんなが口々に言う。それが静まり返った頃に、彼女の夫であるクロが口を開いた。
「ミミ・・・?」
これから彼女が話すことは、クロも知らない。親友の博士も知らない。場にいるみんなが、初めて聞く報せだった。
「ワタシは・・・」
静かな中で、助手が口を開く。しかし、話しているのはジャパリ図書館のミミ助手ではなく、ワシミミズクのフレンズのミミであった。
「このお腹に・・・」
みんなが、その言葉で感づく。意外にも、アライさんまでそのワードにはビビっと来たようだ。もう何を言うかはわかっているのに、みんなが息を飲んだ。
「クロとの、子を・・・授かりました・・・」
その夜は、盛大にパーティーをしたそうである。
以上が、白猫のお話から消えてしまったページを埋めようとした素人が綴った、まだインクの乾ききらない物語である。
こんなお話があったかもしれないし、なかったかもしれない。
以上なのです。
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