第13話 子供の頃夢に見てた魔法の本
「子供の頃夢に見てた魔法の本」
「うーん。それ、疑問だぞ」
「何がです?」
「子供がそんな魔法の本ばかり読むかあ?」
「読む人は読みますよ」
「スポーツの本とか、そういうの読んだりしないか」
「その辺、わからないけど、たぶん、大人でも子供でも、魔法の本を読みたがる割合は同じくらいの一定層がいるんじゃないかと。つまり、アウトドア好きの人とインドア好きの人では、大人でも子供でも数は変わらないんじゃないかと思いますね」
「きみはめっちゃ魔法の本を読む人だよね」
「平均以上には」
「だよね。実は打ち明けたいことがあるんだよ」
「なんだよ」
「ええと、なかなかいえないんだけど」
「なんだよ。早くいってくれ」
「ううん。怒らない?」
「怒らないよ」
「重要なことなんだけど」
「おお、早くいえ」
「実は、アウトドア派なおれだけど。魔法系の本って実はかなり好きなんだよ」
「そうなのか」
「うん。恥ずかしいけど興味はばりばりあるんだよ」
「そうか。それではいってみよう。子供の頃夢に見てた魔法の本」
「手加減してくれ」
「いや、手加減とかそういう評価基準ではない」
「どの本でくるんだ」
「ボルヘス、ゲレロ『幻獣辞典』だあ」
「ああ、それは一家に一冊ほしいよね」
「選ぶのたいへんだったわ」
「定番すぎる。やり直せ」
「うるさい」
「もっと他にあるだろ」
「知るか」
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