第8話 こんなのあるわけねえっていう奇妙な話

「今回は、こんなのあるわけねえっていう奇妙な小説です」

「きみたちの考えることなんて、おれはとっくにお見通しだから。まあ、どんな小説だろうと、おれの想定内だな」

「本当ですかあ」

「どうせ、たいした話じゃないからだ。読まなくてもわかる。きみたちはどうせたいした話を知らない。知るわけがない」

「なんで、そう思うんですか」

「きみたちはおれ以下だからだ」

「わかりました。あまり怒りをさかなでることはしないで、とっとと本の紹介だけします」

「おう、手短にしろよ。どうせ、おれの想定内なんだから」

「すごい自信ですね。では、紹介します。こんなのあるわけねえっていう奇妙な小説です」

「じゃかじゃかじゃかじゃかじゃん」

「木下古栗「生成不純文学」です」

「ほう。読まなくてもわかった。想定内だ」

「またまた。」

「面白いんか」

「傑作です」

「じゃあ、読まない」

「ベタなところでは、定番の奇妙な小説は国内なら『ドグラ・マグラ』、海外なら『虎よ、虎よ』あたりでしょうかね。新しくすごい小説が出ました。木下古栗です」

「ちょっとは興味ある」

「ぜひ、お試しください。それでは」

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