第3話 失恋した時に読む小説

 今回は「失恋した時に読む小説」です。

 むかし、ネットで「失恋しました。彼氏を忘れることのできる小説を教えてください」と質問されました。

 ぼくは、恋愛小説には詳しくない。恋愛小説は読まない。のですが、読書家の自信はあったので、一冊紹介しました。

 ゲーテの「若きウェルテルの悩み」をすすめました。反応は、「ごめん。文学部の人にもっといい本を教えてもらった。」とのことでした。何の本なんだろうと気になって聞きました。

「え? 日本の女の子が失恋した時に読む小説って何?」

 と失礼ながらも聞きました。

「コードウェイナー・スミスって知ってる? 『アルファラルファ大通り』」

「知ってるよ。海外SFには詳しいよ」

「その主人公のカップルの名前って憶えてます?」

「いえ、ぜんぜん」

「やったあ。わたしの勝ちい。その名前の本が『日本の女の子が失恋した時に読む小説』です」

 といってました。

 そのカップルの名前は「ポールとヴィルジニー」でした。サン・ピエールの書いたフランスの失恋小説でした。内容はネタバレにならないように教えられません。

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