いなずま


この、光に満ちた惑星で、君の身体は沈んでいる。

ねっとりとして、パチパチとして、

ソーダの泡のように光が、空へと逃げていく。


光があるだけで、祝福だと思ってしまう。

宇宙に放り出されたら死んでしまうのに、

ずっと暗闇が怖いままでいる。


僕たちが生きていることが、幻だったらいいのにね。

君の言葉の裏側に、はるか昔の、押し花がある。


君が水辺で笑うとき、

君の押し花は重力崩壊を起こして、

周りにいる人、水草、太陽の手指、

ついでに僕を呑み込んで、つぶれていく。


恋の威力。

雨明けた空に、かかる虹が、世界の証明です。

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