象が死んでいる

象が死んでいる。

砂漠の真ん中。荒野の切れ端。

夜の空の、奥深く。


恒星が、

パチパチと喘いで、祝福している。

星の瞬きが、

一つ、二つと地上に降ってきて、

砂漠を満たす砂粒に変わる。

ざわめきが、

死んだ象の心臓を掴んて、引きずり出す。


何が大切なの。

何が、尊いの。


硬い皮膚、孤独の証左、

柔らかな血の匂い。土の匂い。

君と僕を充たす、さざなみの音。


君の存在そのものが、死の証明です。

そう言って、笑っている。

象が死んだ、砂漠の真ん中で。

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