太陽に飼い慣らされて

ゴリゴリと削られたアルミの破片が、

ぼくたちの明日の光になって、

口端からぽろぽろと溢れていく。


飼い慣らされている。

爪を紅く染めた日は、脳の髄まで真っ赤に染まってくれる気がする。

飼い慣らされている。

真っ赤に染まった記憶の底、君がしっかりと笑うことが、

この世界の総てでした。


車が通りを走って、人を連れていく。

時間が右から左に流れて、ぼくを攫っていく。

死ねよ、と呟いたとて、そんなことで世界は死なないし、

内側がいつか血のように、赤く染まって君を潰す。

そうなる前に、ぼくはきっと、

諦めてしまうのだろなぁと、思います。

太陽の温かさに飼い慣らされている。

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