いつまでもあたたかい

ゆったりと笑っていたあの子が、

いつのまにか、そんな顔をするようになってたこと、

わたし、

知らなかったよ。


路地裏の猫が死ぬことは許せるのに、

君がいなくなることを許せないのは、

なぜ。


だって、死んでいるのだから。

ぬいぐるみが宙に舞って、死んでいるのだから。


キラキラとした海の反射は、

泳いでいたら見えないでしょう。


肩から下を、海に沈めて、そっと見た、

太陽の裏側。

あの子の笑顔。

クラスの中心で響いていた、遠い笑声。


海の冷たさすら、忘れてしまうのなら、

きっとわたしは、いつまでもあたたかい。

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