紫蝶の夢

紫色の蝶が、艶かしく飛んでいる姿から、

目をそらした、午睡の日々。

紫色が、

世界を侵食していて、

あやめ、

凛と立って、扉へと進んでいく。


わたしは、空を飛んでいて、

それはもう、ずっと、

空を飛んでいて、

太陽にまで挨拶をしたら、

何かが変わる気がした。

君の笑顔とか、好意とか、行為とか、そういうもの。

わたしが変わってほしいと願う、すべてのもの。


昨日の君が、君ではないから、

わたしは今も、どこにもいなくて、

だからこそ、期待をしてしまう。


目の前の誰かが、君に変わることを。

沈んでいく太陽が、月を誘うことを。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る