環状線

夜を彩るネオンが、

ぼくの心にそっと降りてきて、

ゆっくりと丸まって、

寂しさを連れていく。


走り抜けていく過去の記憶が、

何年かに一度、

ぼくを起点に巡回し、

ぼくを後ろから刺していく。


まあるく走る君の涙と、

抜け出せない鳥かご。


溺れ切ったぼくの鼓動を、

飲み込むふりをして、

太陽が落ちていくから、

ずっと走り続けても抜けない道を、

ぼくは何度でも走りきれる気がした。

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