思い初む

恋に落ちる。

落ちて落ちて、

足先の感覚すらなくなったら、やっと、

君の心が手に入る気がして、

思い初む。


惹かれていたのは、きっと、お互い様で、

魂がひりついて亀裂が浮かび始めた時、

私は水すら待たずに、癒しの雨を求めた。


雪が誰にでも平等に降るなんて、幻想。

だって雷は、細くて尖ったものが好きでしょう。

だから希望も、煙になって高く飛んでしまう。


とんとんと跳ねるバスが、明日の幻想を連れていく。


落ち切ってしまった月と、

昇り切らない太陽を抱えて、

今日も地球は回る。


昔の私の、遺恨さえ残さず、雨が流れていくから、

君を好きなままでいたいなんて、

贅沢な悩み、

今に抱えていられなくなるよ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る