年越しの詩

こたつに居座って、なんとなく夜更かしをしてしまう夜。

いつのまにか消えている傷跡に、気がつかないまま一年が終わる。

クリスマスに置いてけぼりにされた私の想いも、そばと一緒に呑み込んで、来年へと運んでいけるだろうか。

夜下がりのテレビの喧騒が、街に浸透していく。


変わらないのに、いつもとは違う夜明け。

君と手をつないだ日の夕焼けと少し似ている。

あたらしい朝の光が、古ぼけた私の想いも消していくようで、ようやく私、夜に眠れるようになる。


鼓動を鳴らす心臓を置き去りにして、明日へと踏み出す。

あいという光の中で、つぶれてしまう目蓋の裏には、あの日の君がいる。

過去に鳴らした鼓動を、今も心臓に染みつけて、孤独を知った私は、あの頃よりも強くなれる。


君と私の孤独。


ドクドクと鳴りだして止まることはなく、除夜の鐘さえ効かないのだから。

痛みと共に、今日を超えるしかない。


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