年越しの詩
こたつに居座って、なんとなく夜更かしをしてしまう夜。
いつのまにか消えている傷跡に、気がつかないまま一年が終わる。
クリスマスに置いてけぼりにされた私の想いも、そばと一緒に呑み込んで、来年へと運んでいけるだろうか。
夜下がりのテレビの喧騒が、街に浸透していく。
変わらないのに、いつもとは違う夜明け。
君と手をつないだ日の夕焼けと少し似ている。
あたらしい朝の光が、古ぼけた私の想いも消していくようで、ようやく私、夜に眠れるようになる。
鼓動を鳴らす心臓を置き去りにして、明日へと踏み出す。
あいという光の中で、つぶれてしまう目蓋の裏には、あの日の君がいる。
過去に鳴らした鼓動を、今も心臓に染みつけて、孤独を知った私は、あの頃よりも強くなれる。
君と私の孤独。
ドクドクと鳴りだして止まることはなく、除夜の鐘さえ効かないのだから。
痛みと共に、今日を超えるしかない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます