吐息
桜染
クリスマスの詩
まばゆい光に包まれて、赤んぼうが産声をあげる。
まっしろなその手に、ほおの赤ささえ眩しくて。
ふっくらと笑う音が、師走の喧騒をすり抜けていく。
あたらしく生まれるあいを、プレゼントにそっと包んで、来年へと渡そう。
悴んだ指を温めるような魔法をひとつ、ポケットに忍ばせて、早足で君のもとへと駆けていく。
小さい頃にもらったお祝いを、ずっと抱えて生きている。
すべてが許される日の、温かい孤独。
溶け合うことすらできない僕らを、白い雪がチラついている。
温かな傷みに喘いで、愛しているをこぼす。
愛していた。あなたといる傷みを。それは幸福の色をしていた。
あなたを想うたび、胸を鳴らす孤独に、今日はせいいっぱい、おめでとう、を伝えたい。
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