第6話 その答えは?

 私の答えはなんとなく決まっていた。しかし、同時に不意にあのコメントが頭に蘇ってきた。



「そいつは詐欺師だ。」


こいつには騙されちゃいけない。だって泥棒なのだから。もしかしたら、付き合うふりをして私を売り飛ばすかもしれない。付き合ってから結婚話を立ち上げてお金を搾り取るつもりかもしれない。



気づいたら、私は彼を拳でぶん殴っていた。それから言った。


「貴方の目的はわかっているわ。貴方なんか、怖くないから。」


「な、なんだと…?」


「貴方は何者なの?どうして私を選んだの?」


「僕だって、君が何者かを知らない。君を選んだ理由だってあるわけが無い。」


「そう…」


本当にそうだろうか?この人を信じていいのだろうか?


私は彼の目をじっと見た。彼も私の目を見ていた。

そしてこう告げた。



「わかったわ…それじゃあフィリップ、貴方に交換条件を申し出たいのだけれど?」


「はあ?」



私は条件を話した。

私が長い事想ってきた唯一の望みを…









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