第5話  禁断の行為

 それから暫くして、私は好奇心のために彼に実際に会ってみようと思い立った。


勿論、親には内緒で。


だがしかし、当然の如く断られた。

当たり前だ。ネットの住人なんて信用してはいけない。それは社会の決まりでもある。


ただ、もし彼に告白されたのだとしたら、返事を返さなければいけなかった。


そして、その存在も確かめたかった。


彼とは都内の遊園地で待ち合わせした。


目印はもう伝えてある。この赤い鞄とこの髪型だ。


「あの~、もしかして、himeさんですか?」



不意に声をかけられた。驚いた。なぜなら、彼はとてつもない美男子だったからだ。とりあえず、



「はい、そうです。」


とだけ返した。すると彼は



「そうでしたか。僕がPhilipです。初めまして。実は僕もあなたと会いたかったんです。」



「え…?」



「こんな返事、予想はできているでしょうが、やはり自分の口から言わなければいけないと思ったんです。僕は君の事が好きです。貴方は僕の事を愛してくれますか…?」



答えられない訳がない。でも、まだこの人の事を何も知らない。




私はまた、言葉に詰まってしまった…

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