長い永い廊下

長い永い廊下

暗い喰らい記憶である


味覚は灯に感じず

原っぱに威光が指す

怖くは啼くよだかは入ない


乾燥した紙面は皴で拗れ

糸に光が落下し腐蝕す

純質な椿の実は滑りを齎す

なにもないであろう

総てが肺に熨しかかり

想い重いで思い出は蓋され


笹舟は対岸に逝けたか

今、真昼の陽に刺されて鋳る

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