熱凍る風の街にて

熱凍る風の街にて

白器に堕ちる硝子玉は

瑠璃色の虜

子供みたいに煌めき

よすがの如く見つめ逢った


鈴蘭のドレスと還し孵す

血に生える蔓薔薇

根の毒で褥に沈む

滔々に廻り濡れ

塗れた身で朝露を呑む


此処は野生の監獄塔

やはり生死は擁いても零れ逝く

あゝこれも輪廻の鎖

四季の虚ろいに過ぎない

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