我ながら些か遠く迄に。

我ながら些か遠く迄に。


嘗て、

通学路の垣根に咲いていた

小煩い朝顔は、沢山の想いを運び

夏休みを駆け抜けた蜃気楼、

あのカルキの馨をも

朱の夕立は消してしまう


過去の棺に納めた絵日記の様に


匣舟で、ひとはちの

オジギソウはそぅと触れると

水を含んだ私の薬指を容易く喰む


曖昧な最期で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る